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ジャグリング(お手玉)でパニック障害を克服する方法:

(最終更新日:2020/07/10)

パニック障害の克服にジャグリング(お手玉)は有効です。
なぜ、ジャグリングが有効なのかというと、ジャグリングのようなマルチタスクは脳の認知機能(特にワーキングメモリ)を鍛え、強化するからです。

ワーキングメモリとは、脳のメモ帳で注意集中力に密接に関与します。
一般に、ワーキングメモリーの機能が高いほど、”不要な情報を遮断することが容易になります=嫌な考えや出来事の想起を迅速に遮断可能”

ジャグリングをする人の脳の状態:

ジャグリングをしていると脳が非常に活性化された状態になります。まず、ジャグリングをしていると、認知機能を司る前頭葉が活性化します。

それから、空間認識に関わる頭頂葉、バランス感覚や微細な動作に関わる小脳が順次活性化されていきます。[1][2]

MIT(マサツセッチュ工科大学)の学生では、認知機能強化やIQ向上の目的でジャグリングをしている人は多いです。

私の友人(日本人)は海外のある名門大学で数学を教えているのですが、彼に私がジャグリングをやるという話をすると
「え、すごいね!結構、海外の数学者とか理工系の大学だとジャグリングやっている人って多いよ。」と言っていました。

ジャグリングはワーキングメモリを鍛える

ジャグリングはワーキングメモリと前頭葉の機能を鍛えます。ワーキングメモリが鍛えられると、感情や衝動のコントロール能力が向上するので、パニック障害特有の予期不安のような雑念から離れ、「今ここ」に容易に集中できるようになります。

要するに、ジャグリングを行うと、ワーキングメモリが鍛えられるので、集中力が高まりそれに伴い不安や悩みに捉われづらくなるという話です。

パニック障害の人ではこのワーキングメモリの容量がストレスによって低下してしまっていることが知られています。
[3]

集中力が感情をコントロールする力である!

集中力とは感情コントロールする力のことです。

このことはあまり知られていなことなのですが、実は集中力と感情コントロール力は比例関係にあります。

 

たとえば、人前で高度なパフォーマンスを平気でできる人がいます。
このような人は、断じて集中力が高い。

逆に、そのような舞台で、あがってしまったり、パニックになってしまう人は集中力が低い傾向にあります。

 

したがって、パニックにならないようにするには集中力を鍛える訓練を行うと良いのです。

その一法にジャグリングはなりえます。

 

そもそも考えごとをしながらジャグリングなどできません。扱うボールの数が増えれば増えるほどそうです。

 

たとえば、
5ボールカスケードをやりながら、過去の嫌な出来事を思い起こすような人はいないのです。

ジャグリングは一種のマインドフルネス瞑想である

つまり、ざっくり言えば、ジャグリングは一種のマインドフルネス瞑想であるとも言えます。

マインドフルネス瞑想がパニック障害の克服に効果的なのは以下の記事を参照ください。

マインドフルネス瞑想の定義とは、何か一つのことに注意を集中するということです。


↑ジャグリングを行っていると脳が鍛えられる

パニック障害の克服に効果的なジャグリングの方法(まとめ):

3ボールカスケード:

練習方法:

3ボールカスケードは普通に3ボールで練習するだけです。練習を継続すれば誰でも、すぐにできるようになると思います。

4ボールファウンテン:

4ボールファウンテンは、見かけは難しそうですが実は非常に簡単です。

練習方法:

片手だけでの2つボールの回し投げを左手、右手ともに徹底的に練習します。
そうすると4ボールファウンテンの習得はすぐです。

5ボールカスケード:

練習方法:

5ボールカスケードあたりから本格的なジャグリングになってきます。要するに難しくなってきます。

ジャグリング経験のあるフランス人の友人に聞いたところ、大道芸の本場と言えるヨーロッパでも5ボールあたりはできる人は少ないそうです。

練習のコツは、まずは3ボールフラッシュを徹底して練習することです。
3ボールフラッシュは5ボールカスケードと動作や投げるボールの高さがほとんど同じで、3ボールフラッシュが完璧にできるようになれば、5ボールカスケードも簡単に習得できるようになるといえるほど。

3ボールフラッシュ:


↑20秒より3ボールフラッシュ

3ボールフラッシュを徹底して練習すれば5ボールカスケードの習得もかなり間近だといえます。

3ボールフラッシュの習得はフラッシュの動作をテンポよくリズムよく、連続で安定してできるまで繰り返すのがコツです。

ジャグリングでも高度な技能が求められるほど脳は強化されます。

4ボールフラッシュ

4ボールフラッシュの練習は5ボールカスケードの前段階での準備プロセスとして機能します。
3ボールフラッシュを徹底する方が、5ボールカスケードの習得に役に立ちます。

しかし、「ボールの数になれること」「5ボールカスケードの初動の動作の練習」に4ボールフラッシュは非常に役に立つのです。

過去の私のジャグリング技能について:

過去の私は5ボールカスケードまでできました。これがパニック障害の克服において他の方法に交えて、効果的であったと思います。

ジャグリングというと「難しい」「できる人は天才か超人だ!」のように一般に考えられがちですが、これは正直慣れで克服できる問題※です。

※ピアノを両手で弾く人は凄いと言われるのと同じ話で練習すれば誰でもできるようになります。

たしか過去の私の実演動画は保存してあったので、後々公開したいと思います。

まとめ:

パニック障害の克服にジャグリングのようなマルチタスクを要求される運動は有効です。

その理由は、脳の認知機能を強化し、特に集中力を高めるからです。

他の主要な克服方法については下記の記事を参照ください。

パニック障害を自力で克服 (☜ブログ記事一覧へ戻る)

(参考文献:)※英語
[1]You Can Grow Your Brain
[2]Juggling revisited — A voxel–based morphometry study with expert jugglers
[3]The complex interaction between anxiety and cognition: insight from spatial and verbal working memory