パニック障害をマインドフルネス瞑想で克服

(最終更新日:2020/12/28)

パニック障害をマインドフルネス瞑想で克服

 

 パニック障害をマインドフルネス瞑想で克服できるのかというと、これも前に書いた記事と重複してしまうのですが、比較的軽症であれば十分に可能です。
しかしながら、重症化し慢性化してしまうと、パニック障害を克服するのにマインドフルネス瞑想は有効ではなくなってしまいます。

何故かというと、パニック障害の渦中にある人は、100%雑念塗(まみ)れ(゠思考過剰)です。

 

実は、この雑念塗(まみ)れの状態で、マインドフルネス瞑想をやろうとしても、絶対に上手くいきません。

 

要するに、マインドフルネス瞑想は「雑念、思考が生じづらい脳の状態になっていない限り」何時間座ろうが、がんばろうが、死を覚悟して座ろうが瞑想が瞑想にならないわけです。

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↑マインドフルネス瞑想を行う上での秘訣と注意点を私が解説しました。

マインドフルネス瞑想には2種類ある

 パニック障害にはむしろ運動の方が有効な場合がほとんどです。
運動をすると、小脳の活動が優位になるのですが、小脳は思考や雑念を抑制する機能を有しています。
したがって運動をしていると自動的に思考がしづらい状態になります。

 

たとえば、高速度でジョギングをしながら、嫌な出来事を思い出して号泣する人はいません。

 

「嫌なことを思い出すのには、体の動きを止めていないとできないわけです。

要するに、
運動もマインドフルネス瞑想の一種である
ということです。

マインドフルネス瞑想には2種類あります。
それは、


①静的立場のマインドフルネス瞑想(俗に言う座って行う座禅、瞑想など)

②動的立場のマインドフルネス瞑想(俗に言う有酸素運動や筋トレやヨガなど)

です。

パニック障害の人は基本、俗に言うマインドフルネス瞑想はやらない方が良い

マインドフルネス瞑想でパニック障害を克服しようという試みの危険性はここにあります。

一般にマインドフルネス瞑想という場合、座って行う座禅や瞑想を指す場合がほとんどです。

静かに体の動きを止めて座っていると、「雑念や思考」が大量に発生してきます。
これはなにもパニック発作や強迫観念に悩まされている人に限った話ではなく、心身が健康な人においてさえも言えること
です。

 

マインドフルネス瞑想を専門に行う禅僧でさえも、「雑念、妄想」に悩まされると主張しています。

 

したがって、体の動きを止めて行う瞑想の難易度は、体を動かして行う運動や筋トレのような瞑想よりも遥かに高くなります。(最もかなり習熟している人は話は別で、どんどん行った方が良いのですが)

過去の私の瞑想経験談

それをパニック発作に苦しんでいるパニック障害の人が挑戦しようという試みは私はごく軽症の人を除いてはあまり推奨しません。
過去の私は毎日10時間マインドフルネス瞑想の訓練を行っていましたが、ある時を境に瞑想ができなくなってしまいました。

 

しまいに私に起きたことは、計画的な自殺未遂の断行でした。

 

要するに、
座って行うマインドフルネス瞑想を行うことによって、より悩みが深く強くなり、症状が悪化したという話になります。

動いて行うマインドフルネス瞑想の勧め

そこで、パニック障害を自力で克服したいと考える人に勧めるのは、やはり有酸素運動やハタヨガ(ヨガのうち体を動かして行うエクササイズ)です。

 

これは動的立場のマインドフルネス瞑想です。

 

とにかく心の病に罹った人は、有酸素運動やハタヨガを行い、筋肉を柔軟にすることが非常に大切です。

 

というのも、ストレス過多状態にある人の筋肉は例外なく必ず硬化しているためで、これでは呼吸が常に浅くなり、精神状態は安定しようがありません。

お酒を飲んだり、お風呂に入ると誰でもリラックスできるのは筋肉が柔軟になり、ほぐれるためなのです。

 

マインドフルネス瞑想はGABAを増やす

 筋肉が物理的に柔軟になると、パニック発作を誘発するアドレナリンが放出されても、GABA(γアミノ酪酸)がその働きを抑制するようになるので、精神が不安定になりづらくなるわけです。

 

実際、海外の研究でハタヨガを行うことで、被験者の血中GABA濃度が約30%上昇したという報告もなされています。[1]

 

したがって、
パニック障害の状態にある人は座って行うマインドフルネス瞑想よりも運動やハタヨガのような動いて行うマインドフルネス瞑想を行うと良い場合が少なくないという話になるわけです。

どうしてもマインドフルネス瞑想をやってみたい方へ

私が下記動画の方で実演して説明しました。↓

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✅この方法は、複数の対象に同時に意識を集中させるため、

思考や雑念を最も生じさせづらいメソッドですので、
実行されても特に問題はないかと思います。


注意点は、
運動の習慣(有酸素運動、ヨガ、筋トレ)を必ず
併用させることです。

Pointマインドフルネス瞑想の秘訣は日中、運動をきっちりと行い、筋肉が柔軟な状態で臨むことです。
「筋肉が柔軟な時、人は思考が生じづらいリラックスした状態になっている」ので非常に瞑想がしやすくなっているのです。
禅の高僧が私に語ったことはまさにこのことでした。

実際に、マインドフルネス瞑想が成功するとGABAが大幅に増強されるということは幾つかの論文で証明されています。[2]

まとめ

マインドフルネス瞑想には二種類ある。


①座って行う静的マインドフルネス瞑想

②動いて行う動的マインドフルネス瞑想

 

パニック障害のような心の病の人では元々、思考過剰、雑念過剰の状態になっていることが少なくないため、①はごく軽症の人を除いてはうまくいかないことがベターです。

よって、まずは難易度の低い、
②の動的立場のマインドフルネス瞑想から実行すると良い。

そして、症状がある程度軽快してきたら、

①の静的立場のマインドフルネス瞑想を実践するようにしていけば完璧です。

「私のYoutubeチャンネル(メイン、サブ)にやり方や詳しい話がある」ので、そちらを参照するとさらに理解が進むはずです。

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(参考文献:)
[1]
https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/acm.2007.6338
[2]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1935861X12001532

 

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