強迫性障害を克服(概説)

強迫性障害を克服(概説)

このサイトでは、強迫性障害を克服する方法について簡単にまとめて書いてあります。結論を先に書いたのですが、一般に強迫性障害を克服することは非常に難しいとされています。しかし、これは完全に間違いです。注釈を加えますと、確かに簡単なことではないですが、「不可能である」または「難しい」ということは決してありません。

要するに、正しい方法にのっとっていくことで、その克服のプロセスに要する期間を最小限にしていくことが可能になって行くという話です。


(-このサイトの目次-)
強迫性障害を自力で克服するのに大切なこと
強迫性障害を強迫観念を無視して克服する?
強迫性障害を運動で克服【まとめ】】
強迫性障害を克服する考え方【まとめ】
強迫性障害の克服のきっかけ【最新版】
私の強迫性障害の克服体験談
強迫性障害の加害強迫を克服
強迫性障害を克服するのにかかる期間【最新版】
強迫性障害を克服した人の世界観
強迫性障害克服における認知行動療法の位置づけ
強迫性障害と不登校【重要】
強迫性障害を克服するのに重要な心構え
強迫性障害の種類【巻き込み型と自己完結型】
強迫性障害と対人恐怖症
強迫性障害と統合失調症の違いについて
強迫性障害を瞑想で克服する方法
強迫性障害を生活習慣を正して克服する方法

以下の強迫性障害の克服法は、ほぼすべて間違い※です。

強迫性障害は精神療法だとか心理療法でどうにかなる問題ではなく、考え方や性格の問題では一切ないからです。脳の機能障害の存在について把握していくことが、強迫性障害の克服の大一歩です。
(※気休め程度のモノも含めてあります。)

間違った強迫性障害の克服法(一覧)【総概説】

→強迫性障害を克服するのに強迫観念を無視する

強迫性障害の人に生じている強迫観念は「ある考えに頭が尋常ではないほど捉われる現象」を指して言います。よく暴露反応療法や認知行動療法の専門家は、「強迫観念は無視すればいい」といっている人が存在しますが、「強迫性障害を克服するのに、強迫観念を無視すればいいという方法は完全に間違い」です。

何故かというと、強迫観念は脳が作り出した生理現象だからです。

生理現象とは何かというと、暑くなったら汗をかく、運動をしたら心拍数があがるというホメオスタシス(恒常性維持機能)のことを指します。強迫性障害を克服するのに、「強迫観念を無視しろ!」という話は、上の例になぞらえて話すと、「体が暑くなっても汗をかくな!」といっているのと同じ話です。

体が暑くなったら汗をかくのは正常です。強迫観念が生じるのも自然なことです。よって、それを無視することは、かなりの無理を心身に強いることになるわけです。

強迫観念を意図的に無視しようとしていると、それは心理学的に言うと、「抑圧」という異常心理状態を産み出し、当事者の心身に過度なストレスを与えることになりかねません。

このことは、「宝箱を開けるな!」と言われると逆に宝箱が気になり、開けたくなってしまうという心理と同じです。

同様に「強迫観念を無視しろ!」といわれると、むしろ「強迫性障害の強迫観念が余計、気になるようになってしまう」わけです。強迫観念は生理現象のわけですから、無視することはできませんし、無視しようと試みることはかなり不自然なことです。

そして、自然と強迫観念が消失していく方法をとることが文字通り自然です。
(参考:)
強迫性障害を強迫観念を無視して克服する?

→強迫性障害を克服するのに性格や認知を正さなければいけない

この方法は巷の精神論者が説きたがります。そもそも性格や認知を産み出しているのは脳の機能です。

つまり、強迫障害的な完璧主義、潔癖主義な性格を産み出しているのは当事者の脳の機能です。これは先天的な生まれついたものが大きく、強迫性障害の遺伝率は高いことがよく知られています。

当然、遺伝的な問題がここに絡んでくるわけで、性格や認知を正したり、根性を叩き直せば強迫性障害が治るという安易で素人的な話はかなり無茶苦茶なストーリーになります。

暗いネガティブで内向的な人に、「明るくポジティブで外交的な性格になれ!」といっても、無理です。

無理やり明るく振舞ってみたところで、空回りしますし、最終的には必ずボロが出ます。要するに、強迫性障害の克服に「性格を正さなければいけない」という話は一切関係がないということです。

→強迫性障害を克服するのに認知行動療法や心理カウンセリングは有効である

完全に無効であるとは言いませんが、これらの方法論はあくまでも強迫性障害の克服において補助、サポート的な意味合いを持ち、根治させるいわゆる根本的な克服法ではありません。

強迫性障害は脳の機能障害であるから当然の話で、これは私の他のブログやサイトなどに詳細がありますので、そちらを参照されてください。
(参照:)
強迫性障害克服における認知行動療法の位置づけ

→強迫性障害を克服するのにカルマを解いたりインナーチャイルドを癒さなければいけない

これもまた、よく言われる話なのですが、強迫性障害に前世のカルマやインナーチャイルドは関係がありません。霊障もありえません。

そういうことを言う人にはアルコールや薬を飲むと、強迫観念がなくなったり、弱まったりするのは、
「アルコールを飲むことで、前世のカルマが解消されたのか?」
「酒でインナーチャイルドが癒されたのか?」
と、いってあげたい。

→強迫性障害は暴露反応療法で克服できる

暴露反応療法や森田療法は強迫性障害の克服に多少は役に立つ程度で、中度以上の本格的な強迫性障害の症状に対しては根本的な解決にはならない場合がほとんどです。

「脳が先でその結果、行動が生まれる」のであって、
「行動を変えた結果、脳の機能にそれが影響を与えることはない」
というのがまず大前提の真実の話になります。

矛盾するのですが、後者の経路によって、多少は脳の機能に影響を与えられるのは事実です。
たとえば顔に微笑みを無理にでも浮かべれば、脳は少しはリラックスします。表情筋が迷走神経を通して、脳に微弱な影響を与えるのです。

しかしながら、この後者の経路は弱すぎます。

なぜ当事者はいつまでも克服できないのか?

逆に前者の経路は極めて強固です。そもそも、行動を改めたり、苦手な状況に暴露されることで、この障害が克服できるのであれば、既に当事者の方々は曲がりなりにも、その種の暴露的経験を山ほど積んでいるはずであるので、この論理を信奉するのであれば、既に当事者はこの障害を克服していないとおかしいのです。


脳→心(〇)–かなり強い経路・・・脳が心を生んでいるといってよい
心→脳(✖)–かなり脆弱な経路・・・微小な影響しか脳に与えることはできない

その同じ人が、未だに症状に苦しんでいるということは、暴露反応療法や森田療法では根本解決まではいかず、多少の改善を誘導する程度で終わるということを指します。

暴露反応療法や森田療法が全く無効な療法であるとはいえないので、この項目に含めるのはどうかと思いましたが、「根本解決を提供できない」という事実を考えれば、補助、多少の改善を与えるものだとはいえます。

しかし、「本質的な克服を寄与するものであるといえるほど効果的なものではない」ということを考慮して、このリストに追加しました。

✔強迫性障害を克服するのに有効なモノ(一覧)

①運動(有酸素運動、筋トレ)

運動の習慣をつけることで、脳内のBDNFが増えるので、「強迫性障害脳」から脱却しやすくなり、また、運動をしていると強迫観念も忘れやすくなり、しかも疲れるとエネルギー自体が欠乏してくるので、思考自体しづらくなります。

運動をすることで、強迫性障害の患者の気分や症状が優位に改善されたという報告も国際論文で既に為されています。[1]
(参考:)
強迫性障害を運動で克服【まとめ】

②薬やサプリメントを用いた克服法

薬やサプリメントを用いていくことで、強迫性障害の人の脳内で欠乏している神経伝達物質量をコントロールすることが可能で、この克服法をうまく用いることが強迫性障害の克服のカギとなります。
(参考:)
私の強迫性障害克服体験談(※40分程度の動画です)

③マインドフルネス瞑想法

症状が比較的軽い人の場合、マインドフルネス瞑想を行うことで、感情コントロールを司る前頭葉の機能が強化されるので、「強迫観念」という一種の感情を制御しやすくなります。

しかしながら、マインドフルネス瞑想は重度の強迫性障害の人には不適切だともいえるので、軽度の人のみ実行するようにすると良いのです。[2]
(参考:)
強迫性障害を瞑想で克服する方法

強迫性障害の克服には正しい方法を用いる必要があり、間違った方法を用いていると、いつになっても治らないということになり兼ねません。

強迫性障害の克服にはこの3つの方法が特に重要

主に、上に挙げたこの3種が強迫性障害の克服において、特に重要になります。これは同じ神経症の全般性不安障害やパニック障害などと基本的に同じスタンスの克服法になりえます。(これらのものは診断名が異なるだけでほとんど同じようなものであるといえるからです。私の「パニック障害を自力で克服」というブログは相当詳しいので、そちらも参照ください。

強迫性障害は、もともと旧名:強迫神経症といわれ、生まれつき神経質な人に少なくないとされた心の病気でした。

しかしながら、日進月歩の脳科学の飛躍的進展によって、強迫性障害は脳の機能の問題であるということが明るみに出てくるようになりました。

一昔前は、性格や心は脳の機能によって生み出されているという事実が知られていませんでしたが、脳科学の進展によって、この事実が判明したわけです。

強迫性障害では眼窩前頭皮質の異常発火が見られる

強迫性障害の人の脳をfMRIで調べてみると、眼窩前頭皮質領域の異常発火が散見されるといわれています。[3]また、些細な刺激に対して、情動中枢といわれる扁桃体という脳の一部位が異常発火しやすいということも研究により報告されています。[4][5]

また、強迫性障害の人ではワーキングメモリ(別名:作業記憶)といわれるこれもまた、前頭前野の機能の一部なのですが、このワーキングメモリの機能が低下していることも指摘されています。[6]
ワーキングメモリの機能が低下すると、思考の切り替え能力、感情の切り替え能力がそれに比例して低下するので、強迫観念により囚われやすい状態になりえます。

逆に、ワーキングメモリの機能が高ければ、強迫観念を上手に抑制できるので、特定のこだわりの対象にとらわれ悩み苦しむこともなくなっていくという話です。

「思考の切り替え能力」が低下することによってこその強迫観念なわけです。

こういった脳の機能異常が、強迫性障害の症状を引き起こしているわけで、強迫性障害を克服するためには、脳の機能異常を修正していくのが先決で、最優先事項になります。

強迫性障害は脳の問題

このように、強迫性障害は性格の問題ではなく、脳の機能の問題であるということが現代科学によって明るみに出されています。

強迫性障害の克服は精神論や根性論で語ることはできるものではなく、純粋な脳の機能異常であるといえるわけです。
(参考:)
強迫性障害を克服するのに重要な心構え

結論

要するに、強迫性障害を克服するには脳の問題を解決していくことが最重要になるわけです。
そこに働きかけていく方法が、本当の意味で正しい強迫性障害の克服法になります。

沖仁宏

【参照:】
[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19616916
[2]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18852623
[3]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23740050
[4]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15664794
[5]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3984443/
[6]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19081580

強迫性障害の有名人【最新版】

強迫性障害の有名人【最新版】

(概要:)
強迫性障害であるといわれる有名人をここで紹介します。有名人だけでなく芸能人についても記述しています。
強迫性障害とは、ある特定の考えに頭が捉われ、社会的に身動きが一切取れなくなる症状を指します。要するに、強迫性障害とは不合理な強迫観念に頭が捉われて常時、強度の高い不安に駆られ心身が疲弊した状態を指します。

本記事で紹介するように強迫性障害は有名人にも多くなってきていると言われています。

【強迫性障害であると推定される有名人】

強迫性障害の疾病恐怖の有名人

レナ・ダナム

レナ・ダナムは、アメリカの脚本作家、クリエイター、女優として名高い、非常に才能にあふれる人物で、数々のメディアにおいて賞与を既に多数授与されています。

今や国際的有名人の一人ですが、子供の頃から強迫性障害の症状に苦しめられてきました。

氏曰く「子供の頃は常に極めて高い異常といえるほどの不安を感じていた。そして、友達はひとりもいなかった」そうです。

当時の氏には、疾病恐怖の症状があり、特定の病名を目にしたり、特に耳にすると、「自分がその病気にかかってしまうのではないか?」という強迫観念が生じ、たとえば、そのせいで食事も満足にとることができなくなるという状態に陥ることもありました。
(疾病恐怖だけではなく細菌恐怖もあったそうです。)

それほどまでも強迫性障害が悪化したときはひどい精神状態に追いやられてしまったといいます。

レナ・ダナムの強迫性障害はカウンセリングを受けてもほとんど改善しませんでしたが、子供のころから様々な治療を受けることができる身分であったという点では、氏は自分は本当に恵まれていたと述懐しています。

というのも、彼女の家は、もともと世界的に有名な芸術家筋の富裕層であったからです。(ダナム家は宝石商のテイファニー家と親戚関係にありました。)また、氏の両親は心の病の治療に対して理解があり寛容であったとも言い、それが回復に役立っていたとのことで、今現在、両親に感謝しているそうです。

彼女の強迫性障害が寛解したのは、「ヨガの励行やマインドフルネス瞑想の習慣をつけることによって」であると主に語っています。習慣的にヨガやマインドフルネス瞑想を行うことによって強迫観念に捉われることは、今ではほとんどなくなったそうです。


↑氏の家族(左から母親、父親、レナ・ダナム氏)

現在の氏は、極たまに、大きな不安に押しつぶされそうになることもあるといいますが、自分自身は社会的責任および影響力の高い立場に存在する有名人のひとりであることを自覚しているので、その不安の感情はなるべく外には出さないように心がけているとCBCのインタビュー時に語っています。

船長が不安にかられておどおどしていれば、船員はみな不安になってしまうでしょう。だから、不安や焦りは表に出さないようにしています。(CBCによるインタビューより)

強迫性障害を克服した今現在では、氏はメンタルヘルスの問題についてたびたび公言し、このOCDに限らず一般の精神疾患に対する世間の偏見がなくなるように様々な言論活動をしています。

たとえば、氏はロビン・ウィリアムが亡くなったとき、多くの人たちは「自分の人生から逃げた卑怯者」というレッテルを彼に対して貼ったのですが、逆に、そのようなレッテル貼りをする社会全体の傾向そのものが、むしろ非常にセルフィッシュであると喝破しました。

インタビュー映像に関しては下に貼っておきます。(※英語)

レナ・ダナムの強迫性障害の克服方法:

マインドフルネス瞑想の習慣をつけること。ヨガを行い、呼吸を深くしていくこと。

それから、マインドフルネス瞑想の習慣をつけることで、氏の抱えていた強迫性障害における疾病恐怖はなくなったといいます。

(参考:)
強迫性障害を瞑想で克服する方法

(参照:)
https://www.youtube.com/watch?v=vsnqEJ924Ho
https://www.amazon.com/Not-That-Kind-Girl-Learned/dp/0812985176
https://en.wikipedia.org/wiki/Lena_Dunham
https://www.vogue.com/article/lena-dunham-ocd-anxiety-depression-treatment
https://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-2735383/Lena-Dunham-opens-childhood-fears-therapy-helped-poignant-essay.html
https://www.allure.com/story/lena-dunham-ocd-and-anxiety

 

この記事は逐次、追記していき、他の強迫性障害の有名人についての解説を加えていきます。

強迫性障害を克服【総概説】 (←Homeへ)

 

強迫性障害を生活習慣を正して克服する方法

強迫性障害を生活習慣を正して克服する方法

強迫性障害を克服するうえで重要なことのもう一つは、生活習慣を正すということです。強迫性障害になっている人では生活習慣が乱れている場合が多いのです。

たとえば、考える暇がたっぷりあるような生活をしていたりしていると、強迫性障害は、ほぼ確実に悪化します。これは運動が不足するということもありますが、暇を持て余すような生活自体が非常に有害なのです。

逆に、考える暇のない忙しい生活を行うと、基本的に強迫性障害は改善します。

強迫性障害を克服するという強い決意を持った方は、考える暇のない忙しい生活を常日頃から行うように心がけることが非常に大切です。

体も心も運動を不足させてはいけない

時間がたっぷりとある生活をしていると、消費されるべきエネルギーが消費先がなくなるので、結局、すべて頭の方へいくことになります。
そうすると、そのエネルギーは、悩み、雑念、強迫観念という形で頭をもたげるようになるのです。

運動やスポーツをすると強迫観念や悩みが減ることは既に、先人たちは気づいていました。(体を動かすとエネルギーが身体側にて大量消費されるので、頭(脳)の方へエネルギーを過剰集中させることを防ぐことができるというわけです。これを人民統治の政策としてどこの国でも行ってきました。オリンピックはその残滓です。国民にスポーツを励行させることで、国民の不満レベルは優位に下がり、その分、時の為政者は統治が行いやすいのです。)

強迫観念が酷い人は、エネルギー過剰である可能性が非常に高いです。

エネルギー過剰が強迫観念を悪化させる

エネルギー過剰の原因は、体の運動不足、それから心の運動不足(゠社会生活で心を使っていない状態)です。

心も体も運動を不足させてはいけないということになります。
たとえば運動が不足しても、社会的に孤立しても、使われるべきエネルギーがたまりますので、その発散法(防衛機制)として、自動的に思考の方にそのエネルギーは消費の発露を求めることになるのです。これが悩み、囚われの正体のひとつです。

生活を正すことは克服の要諦

だから、運動をしてエネルギーを消費しておけば、強迫観念や思考過剰に陥りづらく人はなるのです。

文豪や科学者、プログラマーなどの首から上だけを使うような職種に心の病が多い理由のひとつはこれです。そのため、最近ではこの種の職域の人に対して、会社がエクササイズを励行しているような場合も多くなってきているのです。

詳しい話は私のYouTubeを見てください。
しかし、この記事は随時、追記していきます。

まとめ

強迫性障害を克服するうえで生活習慣を正すことは非常に大切です。強迫性障害になっている人は自分自身の生活を客観的に振り返り、問題点が見いだせればそこを見直してみてください。そして、改善点を見いだせれば健全な生活習慣を心がけるようにされてください。

強迫性障害の症状は次第に影を潜め、精神的にも必ず前進できるはずです。

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強迫性障害を瞑想で克服する方法

強迫性障害を瞑想で克服する方法

 強迫性障害に瞑想は有効です。瞑想を行うことで心はリラックスするので、そしてリラックスすればするほど強迫観念はその強迫性を失っていくことになり、最終的には煙のように雲散霧消していくことになるのです。

最近では瞑想は「マインドフルネスもしくはマインドフルネス瞑想」と呼ばれ、精神医療の現場で心の衰弱した方々へ指導されるようになってきています。

瞑想は自然な心の状態をつくる

「自然な心の状態とは、雑念が浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・・・・というプロセスが迅速なこと」をいいます。
ひとつの考えに長く取り付かれてることは、それ自体が、かなり不自然でありますから、強迫性障害のような心の病気にかかってしまうのです。
(もちろん逆もあります)

昔から、「諸行無常」「万物流転」といいますが、これは自然界に存在する(人間も含めた)すべての事象は、移り変わっていて、常時、変化していることを指しています。つまり、考え方も常に変化し続けることが自然なのであって、強迫観念に四六時中振り回されるのは不自然です。だから、強迫性障害の人は苦しみを伴うことになります。

逆に、心が健康で健全なほど雑念にとらわれないので、いわゆる強迫観念に悩むということはなくなっていきます。心が健全な人の思考、考え方は常に変化しながら流れているからです。

話が若干逸れましたが、いわば、瞑想とは自然な心の流れを作る練習のようなものです。この状態を自然な心の状態をマインドフルネスと呼ぶのです。

強迫性障害を克服する瞑想の方法:

①座法:

結跏趺坐でも半跏趺坐でも何でも良い。あぐらも可。まず座を組む。

②姿勢:

次に、姿勢を正す。方法として振り子のように左右揺振(さゆうようしん)し、横軸間における重心を見つける。次いで前後揺振(ぜんごようしん)し、縦軸感の重心を見つける。(横に振り子運動をし、弱めていって自然と収束する点が横軸の重心。縦に振り子運動をして自然と収束する点が縦の重心)。

そして重心が定まったら軽く背筋を伸ばします。

詳しい話は私のYouTubeを見てください。

③精神統一の方法:

自分の息を数えます。心の中で「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・・・・じっつ→ひとつ、ふたつ・・・・・・」と10分から20分くらい息を数えることに集中します。

目は半眼にしてもいいし、閉じても良い。目を開けて行う場合、視線は前方1m~1,5m先に置きます。

④時間:

合計20分程度。無理のない範囲で。
タイマーを使用しても良いし、仏具店に売っている線香と灰も利用できます。線香は一柱45分程度なので、半分に折れば約20分になります。

強迫性障害に対する瞑想の効果

強迫性障害における瞑想の効果として、ほぼ確実に言えるのは強迫観念を弱めるということです。瞑想を始めてはじめのうちはうまく集中できないと思いますが、慣れてくると、強迫観念が明白に弱まっていき、自然と集中できているという実感がでてくるはずです。

そして、深いリラックス感を味わうことができることでしょう。

瞑想は前頭葉という思考や感情のコントロールに関与する脳部位を強化し、注意集中力を強化する効果があります。強迫性障害の人の脳では一部、この前頭葉の機能低下が疑われることもありますので、一石二鳥です。

瞑想はそこをピンポイントで鍛えるからです。(実際に長く瞑想を訓練してきたほど厚さが増していることが脳画像レベルで散見されている。)
(参考:)
The effect of meditation on brain structure: cortical thickness mapping and diffusion tensor imaging

瞑想の効果を高めるために必要なこと

それは、瞑想だけを強迫性障害の克服に用いるのではなく、運動(ジョギング、ヨガ、筋トレ)も同時に併用するということです。運動をしないと筋肉の柔軟性、強靭性は保てないように人間はできており、筋肉が柔軟なほど脳波は安定しますので、運動不足で筋肉が硬化した状態で瞑想を行っても、うまくいかないことがどうしても多くなります。

座禅を行う専門の禅道場においてさえも、作務のような肉体労働が重視されるのはこのためです。

私の知り合いの禅の高僧も肉体労働をきちんとやっておかないと深い瞑想はできないとおっしゃっていました。ですから、強迫性障害を克服するという名目で瞑想を行いたいと思う人は、有酸素運動や筋トレもしくはヨガを行って、全身の筋肉を事前に柔軟にしておくことが非常に大切になるのです。
(参考:)
強迫性障害を運動で克服
強迫性障害を自力で克服するのに大切なこと
私の強迫性障害克服体験談

まとめ

このように、強迫性障害を克服するのに瞑想は一般に有効です。しかし、体を普段、常日頃から使っていないと筋肉が硬化し、呼吸が浅くなるので、瞑想もうまくいかなくなる可能性が高くなります。

瞑想を行う最大のコツのひとつは、座る以前から、深い呼吸ができる身体的状態を作っておくことことです。

瞑想には、柔軟な筋肉がどうしても必要になってくるというわけです。

それは呼吸が心の状態と比例関係にあることを考えればよく理解できる話です。物理的に呼吸筋が委縮硬化していれば、深い呼吸などできるはずもないのです。
逆に、呼吸関連筋が柔軟になっていると、常時、深い呼吸になりますので、必然的に精神は安定しますし、同時に、瞑想も深くなるのです。
(参考:)
https://www.youtube.com/watch?v=b96ZAg6OE1Q

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強迫性障害と統合失調症の違いについて

強迫性障害と統合失調症には明白な違いがあるのですが、強迫性障害の人の場合、現実と妄想の区別がついています。
対して統合失調症の人は現実と妄想の区別がつきません。今回は、かなり簡潔に、しかしわかりやすく、この両者の違いについて説明させていただきます。

病識があるかどうか、現実と妄想を区別できているかで判別可能

本人が自分の異常性に気づき、現実と妄想が区別できているようであれば、その人は強迫性障害であるといえます。

逆に、自身の異常性や病識を失調し、自分自身の妄想を本気で信じ込むようであれば、その方は強迫性障害ではなく統合失調症である可能性が高くなります。

どちらの障害も、意味のないものを頭の中で過剰に統合してしまう傾向がありますが、それを不合理なものであると悩んでいるか、完全に信じ込んでしまっているかどうかの二者択一で、前者であれば強迫性障害で、古い時代は神経症(ノイローゼ)といわれたものです。

まとめますと、

強迫性障害と統合失調症の簡単な判別法

〇強迫性障害→現実と妄想の区別が容易につく。そのことに葛藤が生じる。
〇統合失調症→現実と妄想の区別ができていない。妄想を完全に信じ込む。

強迫性障害と統合失調症は誤診が起きやすい

強迫性障害にしろ統合失調症にしろ、両者とも目に見えぬ、いわゆる心の病であるため誤診が起きやすいと言われています。

そういう場合は、この記事で説明している上記、判別法のイロハを再度思い起こしていただければと思います。

あまり難しく考える必要はなく、単純に本人の言動や行動が常軌を逸していないか、現実性を欠いていないかどうかをご家族および周囲の親しい友人が見極めるだけで問題はありません。

まとめ

強迫性障害と統合失調症は明確に違うもの。その判別法は現実と妄想の区別がつくかつかないかにすべて依存する。
妄想を現実のモノとして完全に思い込んでいなければ、強迫性障害であると言ってまず、間違いないでしょう。

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(参照:)
https://www.cambridge.org/core/books/schizoobsessive-disorder/schizophrenia-and-ocd-comparative-characteristics/14FA5A32C529D043910EC30D55413292

強迫性障害の加害強迫を克服

強迫性障害の加害強迫を克服

私の体験上、強迫性障害の中でも加害強迫はかなりキツイものでした。細菌恐怖や不潔恐怖も過去の私にはありましたが、加害強迫※ほどキツイものではありませんでした。(※加害恐怖ともいいます。)

加害強迫を克服していくためにはどうすればいいのでしょうか。今回は加害強迫の克服法について述べていきます。

加害強迫の内容は人によって異なる

強迫性障害における加害強迫とはこのままでは誰かを傷つけてしまうのではないか、傷つけてしまったのではないかという思考に四六時中頭が捉われている状態を指します。

強迫性障害における加害強迫とは?:
たとえば、鋭利な刃物を持っている時(料理の時など)、「これで誰かを傷つけてしまうのではないか?」などという考えに捉われ続けたり、車の運転をしているときに、「誰かを轢いてしまったのではないか?」という想念が湧き、その考えにとらわれ苦しみ続ける状態を指します。

バリエーションは山ほどあり、強迫性障害の人の数ほど加害強迫も存在するので、一概には言えませんが、基本的に誰かを傷つけてしまうのではないかという思考に捉われている状態を加害強迫といいます。

加害強迫を改善する克服法

〇脳の機能が加害強迫を生んでいるという事実を常時確認する

これは他のページにも書いていることなのですが、加害強迫を克服するには「自分の脳の機能が産んでいる現象に過ぎない」と自分自身に言い聞かせることです。

「自分の脳が強迫性障害脳の状態」に陥っているのだという事実を繰り返し繰り返し、何度も何度も、自分自身に言い聞かせるといいのです。
頭の中で言語化して言い聞かせてもいいですし、紙に書いてそれを目で見て視認してもいいです。

(参考:)
強迫性障害を克服するのに重要な心構え

〇有名人も加害強迫に苦しんでいるという事実を確認する

また、他の方法では、
「有名人でも加害強迫に苦しんでいる人は多い」のであるからと、強迫性障害に苦しむ有名人、芸能人、セレブなどに思いを馳せると気が楽になります。あの国際的な有名人ですら、加害強迫に苦しんでいるのだから・・・・・・」と開き直ることもできるようになります。

人は他の誰かも同じことで苦しんでいるという事実を確認すると安心するという心理構造を持っています。しかも、その相手が有名人であるとすれば、なおさらかなり気は楽になるでしょう。

強迫性障害の克服には開き直りが重要:
あれほど有名で功績のある人物もしくは天才ですら強迫性障害で悩んでいた(る)のだと認識できるわけですから––––––。こういうときはむしろ開き直って「あの有名人と同じ病気だ!やった!」みたいに喜ばしいことでは決してないですが、無理にでもそう思いこんだ方が、気持ちも遥かに明るくなるのでよいでしょう。

若干不謹慎な話ではあるのですが、破れかぶれであったとしても、開き直った方が改善は早いのです。

〇運動の習慣をつける

運動は強迫性障害の克服に効果的です。私のクライアントのひとりは、私が指導する運動の習慣をつけただけで、劇的に強迫性障害の症状が短期間で改善したと報告されました。

また、国際論文上においても運動は強迫性障害の症状の克服にかなり効果的であることが科学的に認識も既になされています。
(参考:)
強迫性障害を運動で克服
強迫性障害を克服【総概説】

〇薬物療法

強迫性障害でも重度の場合、薬物療法が必須になってくる場合があります。コツは薬物療法だけを実行するのではなく、必ず運動療法と併用するということです。

私の経験上の話ですが、運動を併用すると薬を飲んでいてもほとんど不快な副作用がでなくなります。

まとめ

強迫性障害の加害強迫は最も苦しい強迫観念の一種だと私は思っています。過去の私が最も苦しんだのがこの加害強迫でした。

そして、この加害恐怖の強迫観念というのも移り変わっていき、あるときはある内容の加害強迫に苦しんでいたが、今度は違う内容の加害強迫に苦しむ、次はまた違う内容・・・・・・というプロセスの無限ループに陥っていたことを記憶しています。

これは私だけではなく私の他のクライアントの方も「同じ経験をした」と話していました。

まず、いますぐできる克服の方法は、以上に話した事項です。

愚直に実行されればまず間違いなく改善されていくはずです。

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