強迫性障害と対人恐怖症は併発しやすい

(最終更新日:2020/12/29)

(概要:)
強迫性障害の人は対人恐怖症を抱えている場合が非常に多いです。

 

中には、「対人恐怖はないが、確認強迫や疾病恐怖がある」という強迫性障害の人もいるようですが、大方の方の場合、対人恐怖症(人が怖いという症状の一種)を抱えている場合が多いです。

 

なぜかというと、
「強迫性障害も対人恐怖も親戚のようなもの」
であるからです。

今回は、

 

■:「なぜ強迫性障害の人に対人恐怖が多いのか?」
また
■:「なぜ対人恐怖が日本人特有の病であるのか?」

 

といったことについてピンポイントで説明していきます。

対人恐怖症とは:

[note note_color=”#66b2ff”]対人恐怖症とは、日本人特有の精神疾患といわれ、DSM-5(米国精神医学会による精神疾患の分類及び診断手引書)においても、日本人固有の民族病であり、外国人(白人や黒人、ヒスパニックにはあまり見られない)と記載されています。 (医学書には面白いのですがTaijin kyofusyouとローマ字表記のまま記述されています。)[/note]

(参考:)
https://en.wikipedia.org/wiki/Taijin_kyofusho

もともと、「恥の文化を良し」としてきたヤマト民族の末裔がこの島国に居住しているわけで、当然、ヒトの目を気にする、気にしやすい文化が、その遺伝子情報に書き込まれているともいえます。

対人恐怖は日本人の性格特性で、パーソナリティ分類で、カテゴライズすると、損害回避傾向の強いクラスターC群に分類されるとされています。

損害回避傾向とは、要するに慎重な性格でリスク回避が上手だということを指します。

 

主にクラスターC群の性格傾向は

——————————————
ネガティブに捉えれば、

・人の目を気にしやすい
・ナーバスになりやすい
・社交性が低い
——————————————

といったものですが、

——————————————
ポジティブにとらえれば、
・慎重な性格
・細心に注意を払う性格
・責任感が強く勤勉な性格
——————————————

と形容することもでき、これは良いとか悪いとかでは正直一切ないかと思います。

しかしながら、これが行き過ぎると、強迫性障害や対人恐怖症のような症状が惹起してきて、「人と接するのが怖い」という状態もしくは「社会に出るのが怖い」という精神状態になり、正常な社会生活が円滑に送れなくなる懸念が出てくるのです。

[box title=”損害回避傾向は美徳でもあるという事実”]しかしながら、こういったものは日本人の性格特性に由来し、海外では日本人は、他の東アジア人よりも評価が高くなっています。(海外の人の話では、日本人は約束を破らないので、非常に信頼できるとよく言われます。)
また、日本の町工場が制作している超精密機器がなければ、世界の紛争地域で用いられる戦闘機も軍事兵器も動かなくなるのです。
(すなわち日本人にしか作れないとこの業界ではいわれています。したがって、3・11の東日本大震災が起きたときに、いち早く、復興支援に乗り出してきた国はイスラエルだったのです。)
これはクラスターC群の特徴であるこだわりが強く、一つのことを極める職人気質の人が日本人に多いことを意味するでしょう。[/box]
Working Title/Artist: Station of Otsu: From the Fifty-three Stations of the Tokaido (The “Reisho Tokaido”)

強迫性障害の人に対人恐怖症が多い理由

私の経験ですが、強迫性障害の人の多くは明らかに対人恐怖を抱えやすいです。以前の私が実際にそうでした。
(もっとも、過去の私は強迫観念が酷すぎて、対人恐怖症うんぬん以前の話で人と一切かかわることができなかったというような状態でした。)

強迫性障害の人は、一般に責任感が強く、完璧主義で几帳面な性格の人が多いので、過度に細かいことを気にしすぎて、その結果、

 

■:「人目が気になり仕事にならない」
■:「適切な友人関係を築き上げることができない」
■:「俗に言うコミュ障のような状態に陥ってしまっている」

 

といった社会的状況に遺伝的になりやすいのだと思います。

 

 

もっとも、ある程度までの許容範囲内での強迫観念や対人恐怖であれば社交生活にも支障はきたさないので一切問題ないかと思われますが、それがある閾値を超えた異常に高いレベルにある人は、克服するための具体的な対策が必要になってくるでしょう。

 

強迫性障害で対人恐怖症を抱えていても

強迫性障害と対人恐怖症を併発していても克服することは十分に可能
だといえます。

他の記事に詳しい話は譲りますので、下記の記事を参考にされてみてください。
過去の私は重度の強迫性障害や対人恐怖症それからその他もろもろの神経症がありましたが、本当の意味で克服することができました。

 

それが可能になったのは正しい克服の方法にのっとったからである思っています。

(関連記事:)
強迫性障害を自力で克服するのに大切なこと
私の強迫性障害克服体験談
強迫性障害を克服するのに重要な心構え

まとめ

強迫性障害は対人恐怖症と親戚のような関係で、併発している人が非常に多いといえます。

そもそも恐怖症というものの存在自体が、その名の通り、恐怖という強迫観念に捉われている状態を暗に示唆するため、そのような人が自然と多くなるのも想像に難しくないわけです。

特に強迫性障害の遺伝的傾向を持つ人の場合、対人恐怖症を思春期に併発的に発症することが多いと報告されています。

そして、日本人に対人関係を過度に気にしてしまう対人恐怖症が多いのは、日本民族特有の「恥の文化に起因した、いわゆるサムライ文化の残滓的な現象である」と形容することもできるかと思います。

例えば、世界のどこの国にも切腹文化のある国家など存在しません。

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