(最終更新日:2020/12/29)
パニック障害にタバコは本当に良くないのか?
✅パニック障害にタバコは良くないとは一概にはいえませんが、タバコに含まれるニコチンはコーヒーに含まれるカフェインと同じような中枢神経系刺激剤なので、パニック障害の克服において、良いものであるとは確かにいえません。
しかしながら、そこまで神経質になる必要はないというのが私の見解です。
理由は以下の通りです。
パニック障害の克服にタバコはそこまで悪くはない(私の感想)
タバコに含まれるニコチンの血中濃度半減期は約30分~60分と短く、コーヒーやコーラに含まれるカフェインとは比較になりません。カフェインの血中濃度半減期は2時間から10時間もあると言われています。
つまり、タバコはパニック障害の克服において、カフェイン飲料ほど警戒する存在ではないということができます。
しかしながら、タバコを吸うと、脳内の中枢神経が刺激されることで、結果的に、アドレナリンというパニック障害の原因物質のひとつが増加するので、パニック発作の惹起につながっていく可能性はありえます。
タバコを吸うと落ち着くという人も多い
しかしながら、パニック障害の人でタバコを吸うと落ち着くといっている人も少なからず存在するのも確かなようです。
タバコを吸うと、脳内麻薬やそれに近い神経伝達物質が増加するので、そのような実感を受ける人も存在するのでしょう。
タバコはアドレナリンを増加させるが・・・
要するにタバコはアドレナリンを増加させ、パニック障害の症状を悪化させる嗜好品であるわけです。
ただし、血中濃度半減期が短めであるためそこまで危惧視する必要はないと私は考えています。
そもそもタバコのような嗜好品はストレス解消のために用いられます。
ストレス過剰の状態にあるのが、パニック障害の渦中にある人でありますから、ストレス解消目的で、適度にタバコを吸われることは逆にパニック障害を克服するうえで、ある面では良いことだと考えます。
タバコを吸っている人にパニック障害やうつ病は少ない印象
私は建築現場や大工のような土木作業の仕事を肉体鍛錬の目的でやったことがありますが、それらの現場で働いている人では、心身が健康な人が多く、みんながみんなといっていいほど、タバコを吸っていました。
しかしながら、パニック発作を訴えた人などひとりもいませんでした。
タバコがそこまで露骨にパニック障害の症状を悪化させるのであれば、これらの人々は既にこの病気に罹患していないとおかしいわけです。(パニック障害とまでいかなくても、うつ病だとかそういうより普遍的な心の病気に、です)
ところが、反対にむしろタバコを吸っている人の方が、元気で明るい人が多いという印象を受けているというのが実情です。私のヨーロッパの大勢の友達は、そのほぼすべてといっていいほど喫煙者でした。
フランス人の男友達ひとりと、ドイツ人の女友達数人で海外の砂漠を車で縦断したことがありますが、全員が喫煙者でした。
そして、心身共に極度に健康で元気ないわゆる完全健康体的な人ばかりだったのを覚えています。
パニック障害の人でタバコを止めて悪化したという人もいる
余談ですが、タバコを止めたらパニック発作が逆に悪化したという話をよく耳にします。
ストレスがパニック障害の主な原因のわけで、そのストレス解消の嗜好品であったタバコがなくなったために、ストレス解消のはけ口がなくなり、そのせいで、そのような人では症状の悪化につながったのだと思います。
タバコがダメなら抗不安薬もダメという論理が成立しないとおかしい
パニック障害にタバコは良くない、喫煙はダメだ禁煙しないといけないという意見が目立つのですが、なぜか、パニック障害に抗不安薬を飲むのは良くない、ダメだという意見はほとんど目や耳にしません。
はたはた私はこのことが疑問でしようがないのですが、タバコがパニック障害によくないという理由は、
というものがあります。
しかしながら、これは抗不安薬にも当然言える話です。
抗不安薬にも、
という論理が当然成立するからです。
両者の動態は全く同じ論理の元、成立していることがわかります。
で、あるならば、「タバコがパニック障害に良くない」とは一概には言えず、この見解だけでは、かなり片手落ちだと素直に私は感じます。
パニック障害の克服に抗不安薬でもタバコでも何でも用いるべき
これは私の考えに過ぎませんが、既に過剰なストレスがかかっているパニック障害の人は克服のための手段選びでいちいちあれこれ考えない方がいいと思います。
(健康な人でもあれもこれも禁止されるとノイローゼ気味になります。)
要するに、克服の道程においてタブーは厳禁だという話です。
他の記事でも説明している通り、人間は禁止されると逆にストレスがたまり、それが心理的抑圧を生み、さらなるストレスとなって当事者に襲い掛かることになるからです。
嗜好品は適度に用いるのであれば問題なし
私は、タバコにしてもアルコールにしても何にしても適度に嗜好品として使用する程度であれば一切問題ないと考えています。
私は海外で冤罪(えんざい)で拘置所送りにされたことがありますが(詳細は私の他のブログかYouTubeをご笑覧ください)、拘置所の中でのタバコは気絶するほどうまかったです。
ストレスまみれの人はタバコを吸うと落ち着く
楽しみも何もない絶望的な状況で、このような嗜好品(タバコ)は、メンタルヘルスの面において、かなり役に立ったわけです。
(置かれている状況によって、毒にも薬にもなる)
アルコールにしてもすべてそうです。
アウシュビッツ強制収容所に送られた経験を持つ精神科医、V・E・フランクルは強制収容所内での唯一の楽しみであり、生きる希望のひとつはアルコールであったと著述作品で述べています。
パニック障害の人は絶望的心境の人が少なくないわけですから、無理にタバコという楽しみを奪われてしまうのは逆の意味で、別のストレスを産み出すのではないかと私は素直に感じます。
パニック障害の克服にタバコを役立てる法
✅運動(有酸素運動)の習慣もきちんとつけたうえで喫煙する
✅ストレスがたまったら一服する
✅ニコチンが気になるようであれば、gloのような電子タバコに切り替える
✅紙巻タバコではなく葉巻に切り替える
✅タバコの喫煙以上にコーヒーのカフェインに注意する
こんなところで十分だと思っています。
あまり神経質になってあれもこれもそれもこれも何もかもダメと禁止されると大きなストレスを、もともとストレス過剰状態にあるパニック障害の渦中にある当事者に与えかねないからです。
ちなみに私はタバコを吸うようになってから、※友人がすごく増えました。(※海外在住時)というよりもむしろ、喫煙所で友人のほとんどができたほどです。
タバコは社交ツールでもある
海外で駅舎やホステルでタバコを喫煙していると、
「どこから来たのか?」
「どこに行くのか?」
「Facebookで友達になろう!」
みたいな話に良くなり、そのことがきっかけで友達が増えたわけです。
ある意味タバコは、社交促進ツールの一面もあるわけで、過剰な摂取は中枢神経刺激剤としてパニック障害を悪化させる可能性はあるものの、適度なそれであれば、そこまで神経質に禁止する必要はそこまではないと思っています。
友達が多いということはそれだけで絶望的状況下に置かれた人の救いになります。
ヒトは他人と一緒にいるだけで精神の安定に関わるセロトニンやオキシトシンが増加することが報告されています。
禁煙、禁煙とあまり潔癖にこだわり過ぎない方が良い
これはパニック障害でも神経症でも何でもそうなのですが、思考に柔軟性を持たせ、完全健康法を100%実行しようだとか考えない方が逆にいいわけです。タバコ、喫煙の例も同じ話になります。
一般に、タバコが健康やパニック障害によくないのは事実だが、人によってケースバイケースの一面もあり、ある人には害があるが、他のある人には有効であるというようなことはざらにあります。
ちなみに、100歳まで生きた”金さん銀さん”は喫煙者でした。
タバコを長期間禁煙してみて逆に調子が悪くなる人は、タバコを吸った方が健康に良い人です。
常識的には健康に良いと言われる生野菜食をしてみて体調が悪くなる人は、生野菜食(Vegan)があっていない人ということです。
このような柔軟な観点から、この問題を把握してみれば、一概にパニック障害にタバコはよくないという説は言えないと私は思います。
まとめ
パニック障害の克服にタバコは有害な場合もあるし、逆に有効な場合もあります。
タバコは毒にも薬にもなるということが真実です。
人間は千人千様、百人百様なので喫煙が画一的にダメだとはいえません。
タバコが不健康法になる人もあれば、タバコが健康法になる人も存在するわけで、これは自分自身で試してみて、判断するしかないことで、巷で言われる学説を盲信するのはあまり良いことだと思えないというのが私の見解になります。
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