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パニック障害とタンパク質不足
しかしながら、タンパク質が不足しているからと言って、プロテインを大量摂取すれば良いというわけではありません。
「そもそも何がタンパク質を不足させているのか?」を究明することの方がむしろ重要です。
今回は、パニック障害とタンパク質について解説していきます。
パニック障害の人はタンパク質が不足している公算大
パニック障害に限らず心の問題を抱える人全般では(タンパク質摂取量が不足し)、タンパク質不足に陥る蓋然性が高いということが報告されています。[1]
アミノ酸は脳内神経伝達物質の元本となる物質で、例えばグルタミンがなければ精神を安定させる神経伝達物質”GABA”は生成されませんし、トリプトファンがなければセロトニンは生成されません。
(注:アミノ酸だけあってもビタミン、ミネラルがなければ脳内神経伝達物質は十分に生成されない)
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〇パニック障害に効くビタミン、ミネラル(サプリメントまとめ)
よって、適切なタンパク質の摂取はパニック障害を克服していくうえで非常に大切です。
しかしながら、だからといって、市販のプロテインを大量摂取すれば良いというわけではない点には注意が必要で、この問題について次節で解説します。
プロテインの問題点
①人工甘味料を含んでいることが非常に多い
例えば、国内のプロテイン製品を私がスクリーニングしてみた結果、食品添加物で有害であることで悪名高い人工甘味料がほとんどの製品に含まれています。
人工甘味料とは、スクラロース、アセスファム(K)カリウム、アスパルテーム、ネオテーム等を指し、言い逃れは最早できないほど、その人体への有害性を説く学術論文は積みあがって来ています。
私がかなり詳しく調べた結果、海外のプロテイン製品すら五分五分です。添加物に日本以上に遥かにうるさい海外でも意外とこうした添加物はプロテイン製品に使用されています。
タンパク質補給の一環で、プロテインを利用する場合はこうした添加物が含まれていないモノを選定するのがベターです。
(英語ではNo Additiveと銘記された製品を選ぶ)
②プロテインの大量摂取は体に負担をかける場合がある
体とは人体の内部のことです。人体の内部には何があるのか皆様、無論ご存知でしょうが、コンプライアンスの関係上(AIの誤認を招くため)、この場では私は銘記しません。
それは当然の話で、例えばタンパク質正味100g、肉や大豆から食事で摂取しようとすれば、肉や大豆を大量に摂取しなければなりません。
映画ロッキーでシルベスタースタローンが物凄い数の生卵を1コップに入れ、丸飲みするシーンがありましたが、それくらいの無理が実質的にはかかっている公算が大きいです。
それをプロテインであればパウダー状になっていますので、お手軽に水に溶いて手軽に摂取できてしまうわけです。実はこの手軽さが意外な落とし穴です。
当然ながら、プロテインとはタンパク質のことです。
確かに、パウダー状になっている分、消化器官にかかる負担はマシにはなってはいるものの、
プロテインを飲むのであれば、普段の食事自体をベターなモノにしていき、1日1回の摂取までに留めた方が良いというのが私の考えです。
(私はプロテイン摂取に反対しているわけではなく、本格的な(超高強度)筋力トレーニングを行っている人を除外しての安易なプロテイン大量摂取を主に問題視しています)
そもそも何故パニック障害でタンパク質が不足するのか?
パニック障害の方でタンパク質が不足する傾向にあるのは、
普段の食生活及び体質が原因である公算大だと推定可能です。
⑴普段食べているモノの品質が悪い
⑵食品添加物を大量摂取している
⑶胃腸の消化吸収能力自体が悪い
⑷腸内環境が悪い
この中で特に重要なファクターとなっているのは⑴、⑷だと私は考えます。
⑴普段食べているモノの品質が悪いは、常日頃からコンビニやスーパーで手軽に買える出来合いの加工食品を慢性的に摂取し、ビタミン、ミネラルを欠乏させている人が現代人では多いです。
ビタミン、ミネラルが不足するとタンパク質が吸収されづらくなり、タンパク質不足にもなりやすくなります。(特にミネラルはタンパク質吸収に密接な関係にあります)
また、パニック障害にもなりやすくなります。
ビタミン、ミネラルが不足することで、タンパク質を摂取して体内でアミノ酸へと変換された後に神経伝達物質が欠乏しやすくなります。例えば、精神を安定させ、不安を打ち負かすのに必要なGABAのような神経伝達物質へのアミノ酸からのモデルチェンジをしづらくしてしまうからです。
タンパク質不足はビタミン、特にミネラル不足の人に発生しやすい問題だと言え、常日頃、どのような食事を摂っているかはタンパク質不足その如何に大きな影響を及ぼします。
⑷腸内環境が悪いは、腸内環境が非常に良好であると少食でもタンパク質不足になることは実はありません。
飛躍した見解になりますが、ゴリラは肉を食べませんが筋肉隆々です。実は人類にもこれに近い能力が備わっており、特殊な食事を長期間継続していくと、たとえタンパク質をほとんど摂取しなくとも腸内細菌がタンパク質を自動組成するよう(しやすい状態)になります。
パプアニューギニアのある原始部族はイモを主食にし、ほぼ菜食でこれといってタンパク質を摂取していることは確認されていないのですが、彼らの腸内細菌を調べてみると、タンパク質を自動組成する細菌が腸内に存在することが報告されています。[2]
この原始部族の例を今の日本人にそのまま当てはめて考えるのは論理が飛躍し過ぎていますが、常日頃の食事内容が良く、腸内細菌が整っていればタンパク質の吸収率も上昇する蓋然性が高いと推定でき、ヨガの長期断食を長年やっている人はご存知かと思いますが、超少食であるにもかかわらず、常人離れした肉体、精神をお持ちの方はこの世界に少なくありません。
(山伏、ヨガ行者に多い)
海外のストロングマン(重いモノを持ち上げたり、投げたりする競技で超人的な身体能力を彼らは示す)では菜食(豆類は食べる)の超少食の方がいます。彼は子供の頃からこうした食習慣にしたのではありません。私が彼の話を聞く感じでは、私は彼は明らかにNatty(増強剤不使用)だと思います。よって、この例もこの項で私が述べて来たことの傍証になりえます。
パニック障害やその他の心の問題をお持ちの方で私の所へ来られる方の食事内容を聞くとかなり酷いケースが多いです。
心の問題は常日頃摂取している食事から来ている場合もあるのです。
(注:心の問題すべてが食事から発生していると私は言いたいわけではありませんが、過去の私もそうでしたが、あまりにもこうした身近な事象を無視していました。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸等のサプリメント摂取を開始してから嘘のようにパニック障害の症状が劇的に改善し、終局には消滅するに至った経験から身近なモノほど重要であると形容することが可能だというのが現時点の私の意見です)
対策
タンパク質不足を解消するには、良質なタンパク質の摂取量を増やすことが大前提ですが、それよりもまず腸内環境を整えていくことが最優先事項です。
腸内環境を整えると言うと、すぐに「プロバイオティクスサプリメントを飲めばいいのか!」と連想する方が少なくないかと思われますが、腸内環境を整えるのにベストな方法は普段の食事内容を抜本的に革新していくことです。
プロバイオティクスを飲むまでもなく、納豆、キムチ、漬物等は天然のプロバイオティクスであり、豊富に食物繊維を含む穀物、野菜は全てプレバイオティクスになります。
食事内容を抜本的に革新していくには、
〇米を食べている場合は、雑穀パックを米に混ぜて食べるようにする
〇根菜類、海藻類をよく摂取する
〇生きた穀物を食べるようにする
〇日本の伝統料理をよく食べるようにする(西洋人の場合はこの逆を推奨)
〇良質なタンパク質を摂取する(ホルモン剤や抗菌剤、遺伝子組み換えの飼料が使用されない家畜は羊です。よって、現時点はラム肉が最も安全性の面からもオーガニックに近い家畜だと言えます)
〇食品添加物がなるべく多用されていない食品を選定するようにする(≒食品添加物を見抜けるようになる)
(関連記事:)
〇パニック障害を食べ物で克服【最新版】
〇パニック障害と食品添加物|リン酸塩(Na)など【※重要】
結論
タンパク質不足は脳内の神経伝達物質(車でいう所のガソリン)不足を惹起します。
(その理由は、既報の通り、タンパク質はアミノ酸の塊で、タンパク質が不足すればアミノ酸も不足してしまい、脳内の神経伝達物質は元々アミノ酸が前駆物質であるためです)
プロテインを利用する場合は、こうしたことを全て頭に入れた上で(事前に実行した上で)、プロテインの摂取をされると良いです。
ただし、プロテイン摂取は1日1回に留めておいた方が無難でしょう。
こうしたことを十分に実行していくと、パニック障害は日に日に改善されていき、いつの間にか消滅している筈です。
〇パニック障害を自力で克服 (←ブログ記事一覧へ戻る)
(参考文献:)
[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2738337/
[2]https://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/jisedai/seika/5ls_24.pdf ←(注:PDFファイル)