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パニック障害とワーキングメモリーの密接な関係【鍛え方】
これは科学的に数多くの論文からの知見により既に知られている公知の事実です。
本ブログ記事本文で詳しく解説していきますが、”ワーキングメモリーの機能が低下しているからこそのパニック障害”のわけです。
ワーキングメモリーとは?
ワーキングメモリーとは作業記憶の別名で、注意集中力の維持、感情や衝動のコントロール、物事の計画、判断、行動また思考や気持ちの素早い切り替え等の”認知”に密接に関わる脳の機能です。
主に、前頭前野(感情コントロール、やる気、計画性、物事の認知に関わる)や前部帯状回(心理的または肉体的葛藤処理に関わる(*仕事は前頭前野と一部重複))がワーキングメモリーの機能を担当する脳部位であるということが報告されております。
パニック障害の方が予期不安やパニック発作に襲われるのはワーキングメモリーの機能低下による
ワーキングメモリーの機能が低下すると、感情のコントロールが難しくなります。同時に、ストレス耐性能力も低下します。
例えば、ワーキングメモリーの機能が上昇している状態で予期不安に捕らわれることは不可能です。
ワーキングメモリーの機能が高度に上昇している状態というのは思考や気持ちの切り替えがバンバン迅速にできる状態を意味しますので、予期不安という一種の一時的捉われ的思考に捉われることなく、それを合気道のように流してしまうことが出来るためです。
また、
パニック発作は感情の動乱によって発生する場合(心因性のモノ)が殆どであるので、やはりワーキングメモリーの機能が高度に向上していればパニック発作も発生しなくなります。
(ワーキングメモリーが感情を安定強化するため)
パニック障害に限らず神経症の方では共通してワーキングメモリーの機能が低下している
例えば、強迫性障害ですとか視線恐怖(脇見恐怖)症、書痙、赤面恐怖など全てそうです。
神経症の人のこだわりの強さの原因とは?
神経症の人は総じてこだわりが非常に強い人です。
🔵実はこだわりの強さ(思考の柔軟性の欠如)は、ワーキングメモリーの機能低下を意味します。
🔵ワーキングメモリーの機能が高い人ほど物事へのこだわりが弱く、従って、当意即妙に柔軟に物事に対処することができるのです。
ここから逆算して考えると、
ワーキングメモリーの機能を訓練により強化すれば、パニック障害に代表される神経症各種は改善または克服できるということがわかります。
ワーキングメモリーを鍛えるには?
ワーキングメモリーを鍛えるには、
⑵:体を鍛えること
の⑴⑵がその王道です。
⑴の理由:
ワーキングメモリーの主要な機能は注意集中力の維持です。
だから、逆に考えれば
高い注意集中力が要されるタスクに従事すればワーキングメモリーは否が応でも鍛えられます。
(ワーキングメモリーを前頭前野や前部帯状回)
主な方法:
〇ハタヨガ(≒動的瞑想)の習慣化
〇観想瞑想(イメージトレーニングでありありと対象とするイメージを心に極めて鮮明に描く)
〇ブラインドチェス(目を瞑ってチェスを行う=目を瞑るとワーキングメモリーは活性化する(=注意集中力が高まるため))、ブラインドピアノの実行(実際にピアノは弾かないイメージ内で弾く)
〇瞑目し暗算を行うまたは数学学習を毎日行う
〇台本なしでアドリブで誰かと話す、人前で話す
〇ワーキングメモリを強化するサプリメントの摂取
(関連記事:)
〇パニック障害に効くビタミン、ミネラル
〇パニック障害をマインドフルネス瞑想で克服
⑵が効果的な理由:
筋肉を使うと脳内の神経栄養因子として最も重要なもののひとつであるBDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor)の分泌を最大化することができます。
パニック障害やうつ病の克服に運動が効果的であると言われているのは、このためです。(パニック障害やうつ病の人ではBDNFが例外なく低下している)
BDNFが上昇すると脳内の神経伝達物質、特にドーパミンも上昇していきます。ワーキングメモリーの機能はドーパミンが上昇すると高まる性質を持っておりますので、このような流れから
↓
BDNFの上昇
↓
脳内のドーパミン上昇
↓
ワーキングメモリーの機能強化
という好サイクルを得ることが出来るわけです。
主な方法:
〇ジョギングやエアロビクス、水泳、エアロバイク、ボクササイズ等の有酸素運動または無酸素運動を挟んだインターバルエクササイズ(現代ではHIITエクササイズ等が好例)の実行。
*筋トレでは特に下半身を鍛える種目が効果がある。
(私のサブチャンネルのYouTube動画参照のこと)
〇ハタヨガのエクササイズの実行。(筋肉の収縮だけでなく伸長でもBDNFの分泌量を高めることが出来る)
(関連記事:)
〇パニック障害を運動で克服
〇パニック障害をヨガで克服
✅:この⑴⑵を習慣化し、日々の生活でその実行を心掛けていけばワーキングメモリーが強化されて行き、パニック障害の症状各種に悩まされる機会も減っていき、徐々に徐々に改善され、最終的には自力での克服が無理なく可能となっていくはずです。
まとめ
〇パニック障害の原因の大きなモノの一つは、ワーキングメモリーの機能低下。
〇ワーキングメモリーとは感情コントロールや思考、気持ちの切り替え、注意集中力に密接に関わる社会生活を営む上で必須の脳の機能。
〇ワーキングメモリーは鍛えることが出来る(前頭前野や前部帯状回は脳の部位の中でも可塑性(かそせい)に富んでおり、訓練によって鍛えることが容易な可能)
※私のYouTubeのサブチャンネルにて詳しい解説があります。
〇パニック障害を自力で克服 (←ブログ記事一覧へ戻る)