パニック障害の克服に効くビタミン、ミネラル(まとめ)

(最終更新日:2020/05/27)
(概要:)

 パニック障害の克服にビタミン、ミネラルは非常に重要です。ビタミン、ミネラルはGABAのような心を安定させリラックスさせる鎮静系脳内神経伝達物質の生成の補因子になるからです。

今回は、パニック障害に特に有効なビタミン、ミネラル(いわゆる栄養素)について、基礎的なものをシンプルに解説していきます。

パニック障害の克服に効くビタミン、ミネラル(まとめ)

〇ビタミンB6(ピリドキシン)+亜鉛

ビタミンB6はGABAの生成に必要で、現代の食製品から欠乏しているビタミンの一種です。

パニック障害の人の脳では、GABAが確実に不足しています。

GABAとは抗不安薬によって増加する脳内の神経伝達物質の一種です。
GABAが増加すると精神的にはリラックスし、身体的には筋肉がくつろぎます。
(ちなみに、ベンゾジアゼピン系抗不安薬はこのGABAを脳内で増やす作用機序を持つ薬です。)


ビタミンB6は亜鉛とセットで飲むと効果が非常にあがります。

(↑この図で私が手書きしたZincとは亜鉛のことです。)


何故かというと、この両者はGABA生成における補因子
となるからです。

要するに、
グルタミン酸(原料)から
GABAを生成するのにB6と亜鉛が必要だということです。

ビタミンB6、亜鉛が生体内に十分に存在すると、GABAの原料であるグルタミン酸は無事、GABAへと効率よく変換されていきます。

わかりやすくいえば、B6と亜鉛を飲めば、あなたの脳内のGABAレベルが上昇し、リラックスできやすくなるのです。


↑サブチャンネルの方で解説しました。

基本的に、

パニック障害はGABAレベルが上昇すれば、まず間違いなく治ります。

だからこそ、GABAを増やすこれらのビタミン、ミネラルは極めて大切だというシンプルな話です。

サプリで摂取することが最も効率が良いのでおススメです。

〇鉄(フェロケル鉄)

フェロケル鉄は鉄剤の中でも最も吸収効率が高いサプリメントです。鉄が不足してもパニック障害が引き起こされることがあります。

 

鉄が不足すると、生体内のミトコンドリアの活性が落ち、ミトコンドリアの活性化は精神の鎮静あるいは抗ストレス作用を要することが近年の研究により、わかっています。
うつやパニック障害の人ではこのミトコンドリアの活性レベルが低下しています。

 

その活性レベルが上昇すると、これらの心の異常は解消されていきます。
当ブログで紹介している運動にも活性レベルを上昇させる効果があります。)

 

特に女性のパニック障害の方の場合、鉄不足が頻繁に見られます。
対して、男性の場合は亜鉛不足※です。
(※男性の鉄不足はまれ。)


パニック障害の女性は鉄だけではなく亜鉛も不足している傾向が高いです。

〇マグネシウム

パニック障害の人ではマグネシウムも不足していることが非常に多く、マグネシウムには筋肉を緩め、GABAを増強する作用があることが科学的に確認されています。

また、マグネシウムはビタミンB6の代謝に必要不可欠(その逆も言えます)なので、併用した方が確実に良いのです。
マグネシウムは亜鉛に次いで現代人に不足しがちな必須ミネラルです。

それから、マグネシウムはビタミンDの吸収に密接に関与し、生体内に豊富なマグネシウムが存在していると、ビタミンDの吸収率が増強されます。

逆に、生体内のマグネシウムレベルが低いとビタミンDの吸収率が低下してしまうのです。

〇ビタミンD

ビタミンDも大変に重要な脂溶性ビタミンの一種で、パニック障害、不安障害等の方では顕著に低下していることを示唆する研究が多々為されています。
マグネシウムレベルが適正にあれば、ビタミンDレベルも一般に上昇する関係にあります。

ビタミンDレベルの上昇はストレス耐性能力の強化、認知機能増強作用を持つことも知られています。

日光を浴びるとビタミンDレベルは一般に上昇しますが、中には遺伝的に生成率が低い人もおります。
そのような人の場合、サプリメントの摂取を検討すると良いでしょう。


注意点がひとつ。

鉄と亜鉛は一緒に飲むと、お互いの吸収作用を阻害します。
亜鉛とマグネシウムは競合関係にはなく、むしろ吸収率をお互いに増強する関係にありますので、一緒に摂取しても問題はありません。(むしろ好ましい)

 

サプリメント摂取のコツについて:

ですので、効率よくミネラルをサプリメントから摂取するコツは、
———————————-
朝にたとえば鉄を飲み、
夜に亜鉛を飲むように、
———————————-
飲むタイミングを必ずズラすこと
です。

基本的にビタミン※に限っては、この限りではなく気にされないで構いません。
(※脂溶性ビタミンは除く)

また、鉄のサプリメントは飲むのであれば、ヘム鉄でもただの鉄でもなくフェロケル鉄のサプリメントにしましょう。
それから男性の場合、鉄は不要な場合が少なくなく、むしろ亜鉛の摂取を重視すべきです。

あまり知られていないことなのですが、パニック障害の女性でも男性でもその克服に、
鉄よりも亜鉛の方が遥かに重要
です。


——————————————————–
註1:また、ビタミンに限ってはまず問題はないですが、特にミネラルサプリメントは体に徐々に蓄積されていくものなので、メーカーの摂取推奨量、一日の推奨摂取回数を必ず守られるようにされてください。
——————————————————–

 

コラム:

パニック障害ではGABA(ギャバ)が不足しているから、「だったら、GABAサプリを飲めばいいんだ!」と感じられる人が少なくないかと思いますが、GABAサプリは血液脳関門という脳の関所に存在するフィルターを、分子サイズが大きすぎるがため通過できません。

したがって、GABAサプリはパニック障害の克服におき、私は正直おススメはしません。
ただし、血液脳関門のサイズも個人差があり、中には吸収される人も存在します。(これは実は良いことではありませんが、長くなるので、説明は割愛します。)

まとめ

パニック障害に効くビタミン、ミネラル、サプリメントの摂取はなるべくシンプルにするのがコツで、いろいろネット上に情報はあるかと思いますが、まずはここを押さえてください。

最重要課題はパニック障害の人の脳で欠乏しているGABAを上昇させることです。

ですので、はじめのうちは、ビタミンB6と亜鉛だけでも構わないくらいです。あとは、追加でマグネシウム程度で十分です。

また、色々なサプリメントを、あれこもこれも飲んでいると「何が効いているか」わからなくなります。

ですので、まずはこのシンプルな組み合わせをおさえてみてください。

それは、

B6と亜鉛がGABAレベル上昇に端的に関わるということをまず抑える

ということなのです。

愚直に実践されれば確実にパニック障害は改善されていくはずです。

また、サプリメントだけでどうにかしようとするだけでなく、

 

・「食事(何を食べるのか?)」
・「運動の習慣をつける」


ということも非常に大切
です。

そこについては下記の記事に詳細がありますので、そちらを参照されてください。

パニック障害を自力で克服 (☜ブログ記事一覧へ戻る)

沖仁宏(おきまさひろ)

(参考文献:)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1471-4159.2011.07554.x
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.4137/NMI.S6349
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23567517
https://academic.oup.com/jn/article/130/5/1344S/4686363
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23377209
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19085527

(Visited 14,256 times, 1 visits today)

(関連記事一覧)