パニック障害と車の運転【対処法と克服法】

パニック障害と車の運転【対処法】

 

 

パニック障害で車の運転が怖くて、中々、路上に出られないという人が数多く存在します。

もともと、パニック障害の方はあがりやすかったり、些細なことに不安を感じやすい特性を持つ場合が多いので、車の運転を恐怖の対象として認識してしまう場合も少なくありません。

また、高速道路などの一般ドライバーでも危険がより伴うシチュエーション(一般女性で走りたくないと主張する人は多い)やトンネル内の走行中に閉所恐怖(広場恐怖)が示現してしまい心理的パニック状態に陥ってしまうことも良く聞く話です。

 


✅今回は、パニック障害の方が車の運転を克服するための対処法について詳説していきます。

車の運転をする時は友人等に助手席に同乗してもらう

これは、月並みな対処法ではあるのですが、効果は非常に高いです。

誰しも自動車の免許を取った方は経験があることだと思いますが、車の運転に慣れないうちはパートナーや友人、両親等に助手席に同乗してもらい、逐次、必要なアドバイスを受けながら、路上に出て運転するという工程を幾度となく繰り返すようにします。

 

 

実際問題、免許センターや自動車教習所だけでの実技では路上を円滑に走り回るのに経験不足です。

特に高速道路の教習等あっても数限程度なので、明らかに経験不足になるでしょう。

 

 

だからこそ、多くの人は免許センターや自動車教習所を卒業した後に、助手席にパートナーや友人、両親等に搭乗してもらいながら、卒業後も路上での練習を繰り返すわけです。

 

 

その際、

✅走る路上も人通りの少ない誰でも気にせずに運転できる道路で、まず練習していくと良く、そして慣れが生じてき次第、少しずつ難易度の高い、車両数の多い道路での運転も練習するようにします。

 


焦る必要は一切ありません。

ステップバイステップで一歩一歩主義を大切にされて下さい。

 

✅自衛隊に入隊すると、教練(きょうれん)という科目があり、敬礼等の軍隊の基礎動作を毎日何百回も練習させられます。自衛官や他国の軍人の一糸乱れぬ行進パレード等は徹底された反復練習の賜物です。

これはそのまま車の運転にも当てはめることが出来ます。

 

コラム1:パニック障害で不安があまりにも強すぎるケース

不安があまりにも強くパニック症状があまりに酷い場合は、路上での車の運転はあえて控えるのも必要なことです。
強烈な不安を抱えた状態では頭が上の空になりがちであり、教習所の座学でも不安が強い時は運転は控えた方が良いとの話を聞いたことがあるかと思いますが、これはファクトです。

 

 

✅ただし、人通りのある路上での運転は控えるようにするだけで一般に問題なく、人っ子一人いないような広々とした河川敷の広場等では話は別です。(河川敷などには友人等に運転して行ってもらってください)

 

 

 

したがって、著しく不安が強過ぎる場合は、河原沿い等の誰も人通りも車両もないような河川敷の広場等でだけの練習に限定しても、十分です。
カラーコーンをホームセンターで2~4つ程度購入し、バックでの車庫入れ(方向転換、縦列駐車)の練習でものんびりとやっているだけでも実力はつきます。

さらにカラーコーンを購入し(巻き尺も用意し実際のS字やクランクの幅員で行ってください)、狭路走行(S字やクランク)の練習をしてみるのも有りです。(馬鹿らしい、恥ずかしい等と考えるのではなく、本格的に行うことが上達のコツです)

こうした基礎的な運転練習は一見、馬鹿らしいですが、決して無駄などではなく、路上走行に驚くほど役に立ちますので、不安が強い時は人気(ひとけ)が一切ない河川敷などで助手席に友人や伴侶、親などを乗せて練習に付き合ってもらいましょう。

私の父親は免許センターでの一発試験に1度で合格していますが、この方法で練習したと言っています。

パニック障害の人が苦手意識が強い高速道路

パニック障害の方が車の運転で、とりわけ苦手意識を持っているのが高速道路です。

それは当然の話で、高速道路は基本100㎞以上で走行している車が走り交っているからで、高速での事故は速度が出ている分、それだけ一大事になりやすいという特徴があります。

そのため、これはパニック障害の方に限った話ではないのですが、私が聞いた限りでは特に一般の女性(パニック障害ではない)で、一般道路は無理なく走行しているが、高速道路のみは怖いから運転しないという人が多くおられました。

高速道路は単なる直線が延々と続くだけ

しかしながら、

✅考えて頂きたいのですが高速道路はその殆どが”単なる直線”です。

 

 

高速道路での走行を分解して細かく観てみると、90%以上の超過半域において、直線が数レーンあり、車線変更をただ繰り返しながら真っすぐ走行していくだけの極めて単純な作業になります。

 

 

このように、高速道路ではスピードが出ているということだけが一般の路上と異なるだけで、実際には高速道路の運転は非常に単純であるという特徴があります。
(ただし、速度が出ている分、より迅速な反応が要求されるという点、大事故につながりやすいという事実があり、私は決して運転を軽視しているわけではない点はご注意ください)

一番左の低速車線を走る様にすれば良い

 

パニック障害で高速道路での車の運転が怖いという方は、一番左の車線(トラック等が多く走行している低速車線;約80㎞プラスマイナスで走行することが推奨される車線)をずっと走り続けられることをおススメします。ここだけを走って行っても目的地に到達することが当然ですが、可能です。

 

 

車線変更(追い越し等)は高速での走行に慣れてきてから行うようにすると良いでしょう。
(何事も自信がないうちは無理はしない方が良いです)

コラム2:高速走行は車両感覚を身に着けるのに役に立つ

 

私は免許を取った直後に高速道路での長時間の走行を強いられたのですが、高速道路での長時間の車の運転は車両感覚を掴むのに最も効果的な練習法のひとつだと私個人の実感に過ぎませんが、感じております。

 

 

また、高速道路で車線変更を行う場合、ルームミラー、車外ミラーの使い方も自然と身につくようになります。
(教習所でなぜ、左折や右折をする前、また車線変更をするときにルームミラー→車外ミラーの順に見ろとうるさく教えられているのかが自然と理解できると思います)

トンネルが怖い場合

一般道路や高速のトンネルが怖い方はパニック障害の方で多いです。トンネルは閉所恐怖症(広場恐怖)のあるパニック障害の方で苦手意識が強い場合が多いです。

対処法としては、トンネルの恐怖を克服するにはまずは、かなり短いトンネルを通過することを繰り返すと良いです。

 

次第と慣れが生じてきますので、慣れに応じて少しだけの長めのトンネル→さらに長いトンネル・・・・・・といった風に自己の許容度を高めていく方法が有効です。

 

 

車庫入れ時や駐車場でのバック駐車が怖い

車庫入れや駐車場でのバックでの駐車を苦手とするパニック障害の人は多いです。バック駐車は自分の目で後方を直接目視しがたいので、苦手意識を持つ人が多いようです。(バック駐車では車外ミラーを活用します)

 

✅バック駐車時は
⑴:左にハンドルを切れば、左方向へバック。
⑵:右にハンドルを切れば右方向にバック状態で車が向かうと覚えると良いです。

 

 

車輪の向きがわからなくなった時(ハンドルをどちらに切っているかわからなくなった時)は一旦停止し、窓を開けて前方の車輪を見て下さい

右や左にハンドルを(大きく)切っている場合、車輪がその方向に向いているのが目視で確認できます。
車輪が見えない場合は、タイヤはまっすぐ先を向いている(ニュートラル)という事です。(※中には確認できない車両も存在するかもしれませんが殆どの車両で確認可能な筈です)

 

 

バック駐車に関しては先述した河原の河川敷などにカラーコーンを置いて練習する等されることをおススメします。

バック駐車は反復練習を徹底することで誰でも自転車に乗れるようになることやピアノを両手で弾けるようになるのと同じで”慣れ”で次第と感覚を掴むことが出来るようになっていきます。

そのためには数をこなす必要があり、正直、教習所内での練習だけでは全く持って足りないことでしょう。(基本、教習所ではバック走行は縦列駐車と方向転換でしか主には行わない)

 

via GIFER

ですので、パニック障害に限らず、自信がないうちや不安が強いうちはスーパーだとかホームセンター等の駐車場で無理にバック駐車する必要はありません。前方駐車で停まり、帰宅時にその駐車スペースからハンドルを切りながら、バックで抜けていき、チェンジレバーをドライブに入れ、前方に十分なスペースが出来次第、出ていくといった風にすると良いでしょう。

 

どうしても無理そうな場合(パニック障害で車の運転に極度の恐怖を感じる場合):

 

車の運転は危険を伴い、自分が被害者になるのならまだしも加害者になることも誰にでもありえますので、実際、危険といえば危険なのは間違いのない事実です。

したがって、
✅車の運転時に一定の危険意識が生じるのは極めて正常な反応です。


交通事故を起こす人はこの危険意識を失調した人物が多いのは警察庁が発表している交通事故の統計を見ても明らかです。

ソース:
公益財団法人 交通事故総合分析センターがまとめた統計を基に三井住友海上が発表したモノ(PDF) (平成29年度公表)

交通事故で一番多いのは、わき見運転や酒気帯び運転、スマホ運転等の注意を怠った緊張感のないドライブ(安全運転義務違反)が上位を占めています。

 

 


(事故原因法令別事故件数割合)—三井住友海上より

 

“法令違反別では、安全運転義務違反が約74%を占める”


慣れが生じてきて車の運転を軽視しはじめた時に事故ることが多いわけです。

ですので、危機意識をある程度は持ちながら運転に臨むのは交通事故を未然に予防するためのヒトの正常な認知的反応でもあるわけです。

 

パニック障害と車の運転の根本的対処法、克服法

直言すればパニック障害を自力で克服してしまうことです。

⚠パニック障害は完治は難しい心の問題だとされていますが、それは大きな間違いです。

人間はハードトレーニング*によって自らの邪魔な性質を変えていくことが可能な生き物です。(*運動や食事やサプリメントの摂取等も含む)

 

✅実際に、パニック障害は脳の機能障害であるというのが正しい形容になるのですが、パニック障害で特に問題になっているのは前頭葉(特に眼窩前頭皮質)の機能低下です。

眼窩前頭皮質は前頭葉の中でも特に可塑性(かそせい)に富んだ脳部位になり、日頃の生活習慣並びに訓練によって強化していくことがより容易なわけです。

 

 

パニック障害の脳の機能の問題を克服してしまえば、ワーキングメモリという注意集中力に関わる脳機能が劇的に向上するため、車の運転も常に余裕を持って、冷静な心持で行うことが出来るようになっていきます。

トンネル等でパニック発作が発生することもまずありえなくなります。(ただし、バック駐車や狭路走行等は繰り返し繰り返しの反復練習が絶対的に必要です)

当ブログではパニック障害の脳機能の問題を克服する情報を記載しています。
推奨記事を下記にリンクしておきますので、是非参考にされてみられて下さい。

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(推奨記事:)
パニック障害に効くビタミン、ミネラル(サプリメントまとめ)
パニック障害を食べ物で克服【最新版】
パニック障害を運動で克服【最新版】
パニック障害をヨガで克服(最新版)
パニック障害を自力で克服する心構え【最重要】

 

結論

🔵パニック障害の人は車の運転に苦手意識を持つ人が多い

🔵車の運転は反復練習による慣れが絶対的に必要

🔵そもそも教習所内だけでの走行では練習量が全く足りない

🔵路上走行になれるために、友人などに同席してもらい路上で練習すると良い

🔵無理そうなときは路上での運転は完全に控え、誰もいない広大な河川敷などでカラーコーンを立てて練習をひたすら繰り返すと良い(そこまで友人等に運転してもらうなどする)

🔵高速道路を走る場合は一番左の低速推奨車線をずっと走るようにし、追い越し車線は一切利用しないようにする

🔵トンネルでパニック発作が発生しそうな場合は、無理にそれを克服しようとするのではなく、極端に短いトンネルなどから慣らしていくようにする。(しかし、パニック発作が起きそうな時は路上での運転は完全に中止し、河川敷などでの練習に絞った方が確実に良い)

🔵車の運転に危険意識を持たないもしくはその意識が薄い人が事故を起こしている

🔵パニック障害の問題を抱える人が車の運転を克服していくにはパニック障害は脳の機能障害であるという事実を完全に理解し、その克服法を実行し、パニック障害脳から脱却してしまうことが最良の策である。


当ブログ記事内容を数行でまとめると、

 

パニック障害でも車の運転を行えるようになるには
⑴:無理は決してしないこと、
⑵:ステップバイステップで徐々に慣らしていくこと、
⑶:パニック障害自体を事前に克服してしまうことが最重要
になります。
 

※⑶が最重要であり根本解決になります。



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