(最終更新日:2023/08/01)
強迫性障害は親のせいが原因といえるのか?
Contents
✅強迫性障害の原因は親だといえばその通りだと思います。
なぜなら、強迫性障害は遺伝するものだからです。
今回は強迫性障害は親のせいであるのかどうかについて検証していきます。
強迫性障害は育てられ方が関わるのか?
育てられ方は子供の性格に影響を大きな与えます。特に幼少期であればあるほど大きな影響を与えることで知られています。
強迫性障害の親に育てられれば、親の行動を子供の脳はミラーニューロン*を通じて、模倣しますので、強迫性障害的な子供が発生しやすくもなります。
例えば、
「母親と父親がいつも喧嘩をしていると、子供の脳はその親の行動、言動を無意識のうちに模倣しますので、後年、喧嘩をしやすい性格になりやすい」ことが知られているのです。
小さな子供が誰にも教わらなくても母国言語を自然と習得するのは、ヒトの脳に存在するこのミラーニューロンの働きの影響なのです。
同様に、親の強迫性障害的性格の影響も子供の無意識に大きな影響を与えます。
ミラーニューロンは非言語コミュニケーションたとえば呼吸といった目に見えぬ要素(気配)に対してまで働くのです。
✅陰気な人と一緒にいると自分も落ち込んでくるのは、
感情がミラーニューロンを通して伝染するためです。
*ミラーニューロンとは、目前の人間の行動及び言動を模倣するフィードバック型の脳内ニューロンネットワークを指します。
一概に親が原因とは言えないケースも
ある方は裕福で幸せな家庭で育ちました。
両親とも健全で社交的な人格の人間でした。
しかしながら、
生まれた子供は思春期に強迫性障害になってしまったのです。
隔世遺伝の可能性も
隔世遺伝というモノが存在します。遠い祖先に神経質な強迫性障害的な人がいる場合、自分の直の父親、母親は社交的で健全な性格であっても、隔世する形で、それがある人物に遺伝されるというものです。
当然、強迫性障害は遺伝要因が濃厚ですので、隔世遺伝する可能性もあるのです。
環境要因としては母親の影響は父親の影響よりも大きい
✅強迫性障害は環境要因も非常に重要であるということがわかっています。
しかも、特に母親の影響が強く出ます。
✅一般に父親は仕事に外に出ている時間の方が子供と一緒にいる時間よりも遥かに長いため、子供の性格に与える影響は母親と比較すれば遥かに少ないのです。
したがって、強迫性障害ないしは神経症的な母親と四六時中一緒にいると子供は先にお話ししたミラーニューロンを通じて、肌や呼吸感覚で母親の性格、言動、行動を無意識下に模倣しますので、強迫性障害をより後年発症しやすくなるのです。
そういう意味では、環境的側面としては父親よりも母親の影響の方が大きく出るというのが妥当だと言えましょう。
強迫性障害を克服した人の存在は環境要因から遺伝要因に大きな影響を与えることのできるエピジェネティクス的傍証
✅過去の私は重い強迫性障害で苦しみましたが、自分の力で克服しました。
今では過去苦しんでいたひとつひとつの強迫がバカバカしいとしか正直思えません。
私が行った克服方法に関してはこちらの記事を参照ください。
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〇強迫性障害を自力で克服するのに大切なこと
エピジェネティクスとは、環境要因により刺激が遺伝子スイッチのON,OFFに大きな影響を及ぼすということを意味し、近年、その影響の大きさが様々な研究により次々と明るみに出てきています。
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まとめ
✅環境的側面では一般に母親の影響の方が強く出る(= 母親が原因になりやすい)
✅両親ともども精神的に健全でも強迫性障害になってしまう子供の例も存在する
✅隔世遺伝の可能性
✅克服できる、治る人が存在するということはエピジェネティクス的な側面も大きいことのひとつの傍証となる
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(参考文献:)
・https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15374410701662790
・https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15374410701277929
・https://www.cambridge.org/core/journals/the-british-journal-of- psychiatry/article/obsessive-compulsive-neurosis-in-identical-twins/01316DB5C44406AA196A4C92E9085823#
・https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/205690
・https://link.springer.com/article/10.2165/00129785-200505030-00002
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3
・https://www.psychologytoday.com/us/blog/vitality/201407/the-neuroscience-vitality-tip-2-mirror-neurons