(最終更新日:2022/01/02)
強迫性障害の方の脳が疲れる理由【なぜか?】
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強迫性障害の人の脳が疲れやすいというのには理由があります。
このことにはかなりの科学的なエビデンス(傍証も含める)が存在します。
強迫性障害の人の脳が疲れやすいのはワーキングメモリーの機能低下に依る
強迫性障害の方では、ワーキングメモリーという集中力に密接に関わる機能が低下していることが報告されております。
ワーキングメモリが低下すると、集中力がなぜ低下するか、そして、それが何故強迫性障害の惹起に関与するのかついては下記の記事を参考にされてください。
(関連記事:)
〇強迫性障害とワーキングメモリ(作業記憶)の関係【重要】
集中力とは何か?また、集中力が低下するほど脳が疲れやすくなる理由
集中力とは自分にとって不要な情報を遮断する能力のことを言います。
例えば、喫茶店で勉強しているときに他人の会話が耳に入ってきて、集中できないというのは集中力が低いことを意味します。
逆に、集中力が高ければ喫茶店であろうが、電車内であろうが、路上であろうがどこでも勉強に存分に集中することができるのです。
よくジャグリング(または大道芸)やピアノの超絶技巧を人前で超一流のレベルにて平然とこなしていく人がいますが、こういう人たちは得てして集中力が非常に高いわけです。
集中力が弱いと強迫観念や強迫行為への衝動にとらわれやすくなる
話を元に戻しますが、
強迫性障害の人ではこの心のトラブルの特性上、どうしても集中力が弱くなります。
その具体的な理由、メカニズムは以下の通りです。
集中力が強ければ自分にとって不要な情報(=この場では強迫観念や強迫行為への衝動)を容易に遮断することができますので、強迫にとらわれようと思ってもとらわれようがなくってしまうのです。
不要な情報を遮断できないほど人の脳(≒心)は疲れやすくなる
不要な情報が頭に入ってくれば来るほどそれに対して心(脳が反応します)が動きますので、脳が余計に過活動することになります。
それにより、異様に疲れるといった現象が誘発されてしまいます。
脳の機能の問題で疲れやすくなるという具体的事例
そして、強迫性障害の人の脳が疲れやすいというのは往々にして、ワーキングメモリの機能低下に依るところが大きく、
実際にワーキングメモリの機能低下が指摘される高次脳機能障害の方では日常生活のうちの些細なことに対し異様に疲れやすいという(=専門には易疲労性)現象が発生するということが報告されております。
高次脳機能障害の方ではこの易疲労性が発生することから、人ごみや数人以上の人がいる環境は非常に疲れるとうったえる方も少なくありません。
※高次脳機能障害の方と強迫性障害の方の共通点はワーキングメモリの機能低下です。
こうした事例より、強迫性障害の人の脳で同様にワーキングメモリの低下が起きており、それにより集中力の低下が生じ、結果、強迫観念等へのとらわれや気持ちの切り替えの不得手さが現出すると見るのが自然な流れとなり
↓
よって、脳が余計に疲労しやすい
という結論を導き出すことが可能となります。
↑私自身が強迫性障害とワーキングメモリーの関係性を詳しく解説しております。
まとめ
強迫性障害の方の脳が疲れやすいのはワーキングメモリの機能が低下していることによって、自分にとって不要な情報を適切に遮断できていないためだと考えるのが妥当です。
逆に、
強迫性障害の方における集中力の問題や脳が疲労しやすい問題は正しい克服法を取っていけば解決していくことが一般的に十分可能となります。
当ブログに詳しい克服情報がございますので、参考にされてみられてください。
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