(最終更新日:2023/09/27)
強迫性障害を運動で克服【まとめ】
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強迫性障害を克服するのに運動は非常に有効です。強迫性障害の人は運動不足だとよく言われることがありますが、このことは半分以上は当たっています。
(運動不足だと過剰エネルギーになり、同時にその消費先がなくなってしまう)
と言うのも、
強迫性障害の強迫観念が生じるのにはエネルギーが必要です。
しかしながら、運動をしっかりやっておくと、エネルギーが十分に消費されるので、考えや悩みの方へと使用されるエネルギー自体が減ります。
ですので、そういったことに囚われる力もなくなります。(≒確実に弱くなります)
このとき、強迫性障害における過剰思考がなくなっているわけです。
”思考に費やすエネルギーも運動に消費するエネルギーも同じモノです。
つまり、思考するのに消費されるエネルギーと体を動かすのに消費されるエネルギーは共通のモノなのです。
ですから、運動方面でエネルギーを十二分に消費してしまえば、思考方面(強迫性障害の症状)にて消費されるエネルギーは確実に減るわけです。”
したがって、運動には、強迫性障害の症状を消滅させる、弱体化させる効果があります。
【↑運動が強迫に効くメカニズムのひとつについて:】
強迫性障害に有効な運動
強迫性障害に有効な運動は、有酸素運動、筋トレ、ヨガなどです。
✅有酸素運動(ジョギング、ランニングなどで目安時間は10~30分くらいできるとよい。※必ず緩急をつけるインターバルも交える(後述))[1]
✅筋トレ(腕立てや懸垂、スクワットなどで毎日別の部位を鍛えるというやり方が効果的)
✅ヨガ(強迫性障害の人は体が硬いのでヨガのようなストレッチ効果のある運動は克服の過程でかなり効果が高い)[2]
↑私による解説(時間や体力のない方はこの方法を推奨)
強迫性障害に運動がなぜ効くのか?
体を動かしていると、脳内のBDNF(脳神経栄養因子)という物質が増加することが確認されております。
“BDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor)とは脳神経栄養因子を指し、脳内の神経栄養因子のうち最も重要なモノはこのBDNFです。
BDNFが上昇すると、脳内の神経伝達物質が最適化されます。(BDNFは神経伝達物質の司令塔のようなモノ)”
✅そして、このBDNFには”強力な抗うつ作用”が存在することが知られており、BDNFを上昇させることで強迫性障害の症状は弱まっていくことになります。
ある研究では強迫性障害やうつ病の人では血中BDNFレベルが例外なく全員低下していることが示唆されております。[3]
✅:BDNFが低下すると、セロトニンもドパミンもすべて低くなります。抗不安作用のあるGABA(γアミノ酪酸)も陶酔作用のあるホルモンであるオキシトシンレベルもすべて低下します。
しかしながら、これらの弊害は運動によって克服することができます。
つまり、運動をすることでこれらの神経伝達物質の量を増加させ、正常化することが可能になってくるわけです。[4]
↑健全な精神は健全な肉体に宿る
強迫性障害になったらジョギングのような有酸素運動、腕立て伏せ、腹筋、背筋スクワットのようなオーソドックスなエクササイズを習慣化させた方がいいわけです。
あるいはヨガのような筋肉を柔軟にする運動でも有効です。
なお、BDNFは運動で筋肉から分泌される”イリシン”によってその分泌が促進されることがわかっています。
筋肉に刺激を与えることはBDNFの産生を促進するわけです。
過去の私の強迫性障害克服体験談
過去の私には重度の強迫性障害の症状がありました。主な症状は、加害恐怖や確認強迫、儀式強迫等で、しかも他にも極めて深刻なレベルの神経症症状に苦しんでいました。
自分でもわけのわからないことで苦しみ悩み、消耗していることを自覚はしていましたが、運動の習慣をつけてみました。
当時の私は、1年365日、毎日、雪が降る日も雨が降る日も外を走ったり、筋トレをする習慣をつけていたわけです。その頃の私の実家の周りは、工業団地でした。
毎日夜20時ごろ食事を食べ終わった後(頃)に、工業団地で柵によって区画整理されている道を走っていたわけです。
約60分(8~10Km)は毎日走っていました。(そのおかげで、私は自衛隊に入隊後に行われる体力検定のマラソンの成績で中隊(約200名程度)の中で2位、小隊の中では1位でになり、隊内で表彰されました)
✅体力が上がるにつれて、運動の強度を上げるにつれて強迫性障害の症状は見られなくなっていったことを覚えています。
(参考:)
・私の強迫性障害克服体験談
運動で強迫性障害を克服できた
強迫性障害を運動で克服することができたわけです。
要するに、
わけのわからない加害恐怖だとか、しつこい強迫観念だとかそういったものはどうでもいいというような心境に運動の習慣をつけることで、自然となりました。
完全に神経質さがなくなったわけではありませんでしたが、症状自体は見事に解消されていたのは紛れもない事実です。
強迫性障害の人は運動不足が多い
強迫性障害の人は運動不足が多いです。体を使っていないと人間は思考過剰状態に陥ります。
デカルトの言葉、「人間は考える葦である」という格言がある通りですが、考えるがゆえに、ヒトは悩み、苦しみが生じるということになります。
運動不足になっていると、動物性から極度に遠ざかることになり、ますます”考える人間”にヒトはなっていきますが、過度に人間性の方面へ偏り過ぎると、心身のバランスが崩れ、強迫性障害のような神経症の症状が生み出されやすくなります。
思考過剰状態自体がストレスだからです。人間は思考ばかりにエネルギーの消費先が行き過ぎるとメンタル系の心の病気を発症しやすくなります。
何故かというと、
人間は動物でもあり、「動物」とは「動く物」と書くように、
体を動かしていないと、メンタルヘルスの健康を維持することができぬように遺伝子に記述されているからです。
結論
強迫性障害を克服するのに運動は極めて有効で、今からすぐに運動の習慣は付けた方が良いです。
✅:筋トレ(腕立て伏せ、懸垂、スクワット、腹筋、背筋など)
✅:ヨガ(ストレッチのようなゆったりとした筋肉を伸ばす運動)✅:常日頃から体を良く動かすように心掛ける(買い物は徒歩で行く、駅ではエスカレーターを利用せずに階段を昇るようにする等)
(関連記事:)
〇強迫性障害をヨガで克服【最新版】
〇強迫性障害と筋肉の関係【筋トレの重要性】
が特に効果が高いので習慣化した方が明らかによい。
(参考:)
〇強迫性障害を自力で克服【最新版】 (←ブログ記事一覧へ戻る)
【参考文献:】
[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17568300
[2]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3567313/
[3]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3772595/
[4]https://www.psychologytoday.com/blog/evolutionary-psychiatry/201303/yoga-ba-gaba
・Acute effects of aerobic exercise on negative affect and obsessions and compulsions in individuals with obsessive-compulsive disorder