(最終更新日:2023/09/19)
強迫性障害の天才【まとめ】
強迫性障害に天才は多いといわれています。今回は歴史上、強迫性障害といわれた天才について古くから今日に至るまで詳しく紹介していきます。
強迫性障害になる人は一般に頭のいい人が少なくないということが知られています。
グレン・グールド
彼はその天才性の他、様々な奇行癖で知られています。
たとえば、グールドは常に手袋を手放さず、ファンから握手を求められると、「Don’t Touch Me!」と握手を拒絶し続けたことで有名です。
彼は極度の潔癖症で細菌恐怖という強迫性障害の症状を持っていたことで知られています。
↑歌いながらピアノを弾くグレン・グールド
また、極度の対人不安や完璧主義があり、晩年は公衆でのコンサートを拒絶し、レコーディング施設に完全にひきこもり、そこから楽曲を録音し、レコード盤を媒介した”観客へのコンサート”を行ったことでも知られています。
グールドは天才としてだけではなく、奇才ピアニスト*として、今日も世界的に広く知られています。
(*ピアノを弾く姿勢が極度の猫背で極めて独特でこのような弾き方をするプロピアニストはまず存在しない)
クルト・ゲーデル
ゲーデルは、不完全性定理という数学の一部が、矛盾を抱えるということを証明したことで、当時の数学界に激震を及ぼした天才数学者です。
彼の強迫性障害のエピソードは毒殺恐怖でした。
晩年、「神の存在の証明」に執着しましたが、上手くいかず、精神不安定になり、食事も満足にとれなくなりました。
彼は元々、ひどく神経質な子供で5歳の頃から、不安神経症を患っていたとされています。8歳の頃には、リウマチ熱※による発作に常に怯えていました。
実際、後に彼の心臓に致命的なダメージを与えました。
(※リウマチ熱は心臓弁膜症を誘発するため)
↑彼が書き遺した数式
彼の毒殺恐怖は晩年、特に重症化し、妻が作った食事すらも取ることができなくなりました。
それによって、栄養失調による餓死が彼の死因だとされています。毒殺を恐れるが故、窓も開けなかったとされています。
71歳の生涯でした。
当時の担当医からは人格障害の診断を受けていますが、
後世の病跡学の専門家はゲーデルは、強迫性障害であったと多く主張しています。
毒殺恐怖や細菌恐怖は強迫性障害の主要な症状の一つだからです。
草間彌生
「強迫性障害を病んでいる」とメディアに本人自ら語っています。彼女の作品は強い水玉模様の特徴があり、英国のIndependent紙によると、氏の持つ強迫性障害の行き過ぎた「こだわり」が、彼女の作品を彼女の作品たらしめているのだと指摘しています。
↑彼女の双眸の鋭さからは常人ならぬモノを誰しも感じるはずです
実際に精神病院のアトリエで制作作業を行っているということも日本のTVメディアの取材で取りざたされていますし、今現在も精神病院の近くにある自宅よりも、病院のアトリエで作業に没頭し過す時間が長いようです。
若い頃の彼女は、頭の中でその種の考えを「消し去る」ために絵を繰り返し描いていたそうです。
億の値がつく作品を多数この世に輩出する草間氏は、人知れぬ苦悩を藝術へと昇華させている典型的ないわゆる本当の意味での「藝術家」であるといえます。
アドバイスは他人に求めるモノではなく、作品と格闘していくうちに自分の中から自然と湧いて出てくるものだと最近のインタビュー(上から2つ目の動画)においておっしゃられておりますが、私は感銘を受けました。
”芸術は自分にとって生死に関わる”
草間彌生
二コラ・テスラ
二コラ・テスラはエジソンを遥かに超える天才科学者であり発明家です。
テスラもまた強迫性障害の症状を有していたということを病跡学の専門家によって指摘されています。
プールから出ることが出来ませんでした。
彼のルールでは泳ぎながら33往復きちんと数えられないといけませんでした。
さもなければ、一からまた繰り返さねばならなかった。
また、テスラには細菌恐怖の症状があり、そのため、食前、すべての食器を完璧に磨く習慣がありました。
したがって、1回の食事に18枚ものナプキンが使用され、1回の食事ごとにに3つの折りたたまれたナプキンを必要としました。
彼はまた、先述した通り、テスラは3という数字に異常なこだわりを持っており(縁起恐怖)、3で割り切れる番号のホテルの部屋にもっぱら滞在しました。
↑ちなみに彼の晩年の住居は、ニューヨーカーホテルの33階のスイート3327号室で、亡くなるまで10年居住していました。
3327÷3=1109
確かに、すべて3で割り切れます。
まとめ:
彼ら彼女らの天賦の才は”代償性過剰発達”と呼ばれるもので、脳の機能の偏りによって生じたモノであると専門家に指摘されることもまた多数あります。
代償性過剰発達というのは、卑近な例を出せば、目が見えない人が聴覚が過剰に発達し、常人には聞き取れないような音域の音を聞き取れたりするのと同じようなものです。
このように、過度に苦手な領域がある人は、この”代償性過剰発達”が起きやすくなります。
脳は劣った領域を他の領域が必ずカバーするようにできているので、当たり前といえば当たり前のことです。
ですから、強迫性障害の人は、そのことに自信を持ち、自分の得意なことに邁進し、それを長く継続することが社会的成功のためにせよ人生的な成功のためにおいても特に重要だと言えます。
後年、それは必ず身を結ぶはずです。
しかし、その克服は当ブログや私のYouTubeで述べている通り十分可能ではあります。
〇強迫性障害を自力で克服【最新版】 (←ブログ記事一覧へ戻る)
(参照文献:)
・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19332573
・https://www.newyorker.com/magazine/2005/02/28/time-bandits-2
・https://www.ocduk.org/ocd/history-of-ocd/nikola-tesla/
・https://www.psychologytoday.com/intl/blog/consciousness-self-organization-and-neuroscience/201702/what-is-obsessive-compulsive-disorder
・https://www.washingtonpost.com/entertainment/museums/how-yayoi-kusama-the-infinity-mirrors-visionary-channels-mental-illness-into-art/2017/02/15/94b5b23e-ea24-11e6-b82f-687d6e6a3e7c_story.html?utm_term=.cf41a98413ba
・https://awomensthing.org/blog/5-women-yayoi-kusama-polka-dots/