(最終更新日:2020/12/28)
【強迫性障害】睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を最高レベルにする方法
強迫性障害の人では睡眠に問題を抱えていることが非常に多い。その一つの理由は、睡眠ホルモン「メラトニン」レベルの低下にある。
しかしながら、このような支離滅裂な生活自体、そもそも非文明的な生活を営む例えばアフリカの原始部族や古来の日本人の生活ではあり得なかった。睡眠リズムの狂いやその質の低下が現代人の主張する正体不明の体調不良の原因になっていることが少なくない。
これは強迫性障害のような心身の不調のクリティカルな盲点となる。
メラトニンとは?
脳の松果体より分泌される睡眠ホルモンで自然な眠気を誘い、睡眠の質を高め、眠りを非常に深くする。
メラトニンはビタミンCの1000倍以上の抗酸化作用を持ち、人体及び脳を酸化物質より守り、抗炎症作用及びアンチエイジング作用を併せ持つ。
メラトニンレベルの低下は極めて深刻な心身の不調を産み出すことで知られている。実際にうつ病の人や精神的に落ち込んでいる人のメラトニンレベルは顕著に低下していることが報告されている。[1]
セロトニンレベルが低いと言われる強迫性障害の人では、一般にメラトニンレベルは必然的に低くなる。
何故ならセロトニンはメラトニンの前駆物質であるためである。
不眠症が強迫性障害の人で少なくない理由はこれである。
■:セロトニン(前駆物質)→メラトニン
↑N-Acethylserotoninとはメラトニンのことである
従って、このタイプの人では夜寝れないと訴える不眠気味の方が非常に多い。
睡眠ホルモン分泌を最大化し強迫性障害を改善する方法
⑴22時半から3時半頃までのメラトニン分泌のゴールデンタイムを睡眠に必ず挟むようにする
↑22時頃からメラトニン分泌は最大化していき3時半ころにピークアウトするのが上記の図よりわかる(テキトーに書いたので図が少しおかしいです(^_^))
22時頃から3時半は睡眠ホルモン「メラトニン」分泌のゴールデンタイムなので、この時間帯を必ず挟むようにして寝ると良い。
要するに、早寝が最重要。
(もっとも必ずしも早起きが重要というわけではない。)
この就寝する時間帯をこのメラトニン分泌のゴールデンタイムに持ち込むことは質の高い睡眠を得るために最も大切なことである。
⑵メラトニンは真っ暗闇ではない光源が少しでもある状態で寝ると分泌量が大幅に低下する
睡眠ホルモン「メラトニン」は真っ暗闇ではなく薄明かりの中で寝ると劇的にその分泌量が低下する。(ある研究では50%前後低下した)
「何と薄明かりひとつでその分泌量が阻害される」ことがわかっている。
したがって、完全な闇を作って就眠するようにする。
繁華街のホテルやアパートに住んでいる人はどうしても街明かりがカーテンを通して入ってくるので遮光カーテンやそれでも防ぎようがない場合は、アイマスクをして寝ると良い。
とにかく完全な真っ暗闇の中で就寝することが大切。
⑶メラトニンはカフェインやアルコールの摂取で分泌レベルが低下する
メラトニンはコーヒーやコーラ等のカフェインやアルコールの摂取でその分泌が阻害される。
なので、カフェインの摂取はせいぜい遅くとも16時までにし、その後は回避するようにすると良い。(カフェインは人によりけりだが6時間程度血中に留まる可能性がある)
そしてアルコールはほどほどに。
(「アルコール摂取がメラトニン分泌には影響しない」という報告も最近は為されているが何とも言えないのが実情)
⑷電化製品を寝室内に置かない
電化製品からは、たとえスイッチを切っていても1ミリガウス程度の電磁波が常時、放射されている。
電磁波は脳内のホルモン分泌等ヒトの健康に大きな影響を及ぼす。(この種の問題に言及した論文は査読されたモノを含め1000件以上存在する)
(参考:)
〇電磁波がヒトの健康に与える影響の研究
したがって、寝室内にスマートフォンやIPADのようなデバイスは持ち込まず、寝室は寝ることだけに専念する場所と割り切り寝るようにすると劇的に睡眠の質は高まる。
スマホの目覚ましアラームを利用している人は目覚まし時計にした方が無難。冬場に電気毛布を利用している人は就寝前までに温めておき、就寝直前に電源を切ると良い。
⑸日中によく太陽光を浴びておく
日中に十分、日の光に浴びておくと夜間のメラトニン分泌量は増加することがわかっている。
睡眠ホルモン分泌量を増やしたければ、なるべく外出し、お天道様と仲良くすることである。
部屋にいる時もなるべくカーテンを開けて太陽光を室内にあますことなく入れておくことである。
⑹日頃からよく運動すること
運動にはメラトニンを増やす作用があることがわかっている。運動で老化が早まるというのは間違った常識。
というのも、運動することで最強の抗酸化物質メラトニンを増やすことが出来るわけだから、老化が早まるのではなく、むしろアンチエイジング習慣の一環となる。
(関連記事:)
〇強迫性障害を運動で克服【まとめ】
⑺:メラトニン含有食を食べる
メラトニンはケール(特にケールの幼葉)のような葉物野菜またナッツ、卵、キノコ類に多く含まれる。食事からの摂取により脳内のメラトニンレベルを上昇させることが出来ると考えられる。[2]
また、セロトニンを増やすトリプトファンを多く含む食べ物を摂取するとメラトニンレベルの上昇に寄与するので良い。
メラトニンはサプリメントとしても入手可能だが、なるべく自然に食事や生活習慣から上昇させる方法を取る方がホメオスタシス(恒常性維持機能)の観点より良いだろう。
まとめ
強迫性障害の克服に非常に効果的。
日中しっかりと運動(体を使い)し、働き、勉強し、夜は早めに寝てしまう。
気分がすぐれないのなら20時~21時から寝てしまってもいい。
人間の睡眠ホルモン分泌は地球の自転周期と同期しているので、地球上に存在する限り、重力を避けることが出来ないのと同様、メラトニン分泌の時間帯を劇的に変えることなど、まず不可能なのである。
✅江戸時代の人が平均就寝時間が24時だったという事なんて100%ないし、サバンナの野生の動物がわざわざ電灯の下で寝ているなんてこともない。原始的な生活をしている人間もまた然りである。
野生の動物や人間は真っ暗闇の下で寝ているのだ。
これほどまでに狂った就眠習慣を現代人は取っており、しかもそれに無自覚で気づいていないという恐ろしい状況。これが強迫性障害をはじめとする心の病や原因不明の体調不良の発生に寄与していることは疑いの余地がない。
強迫性障害を改善したい方は、この就眠習慣をぜひ取り入れられてみられてください。
規則正しい就眠習慣をつけると、驚くほど劇的に体調が良くなります。
〇強迫性障害を自力で克服 (←ブログ記事一覧へ戻る)
【参考文献:】
[1]:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3354573/
[2]:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5409706/