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【加害恐怖】車の運転を克服する方法【強迫性障害】

(最終更新日:2023/09/21)

【加害恐怖】車の運転を克服する方法【強迫性障害】

 

「加害恐怖で車の運転で人を轢いてしまったのではないか?」と考えてしまう人がいます。
これは強迫性障害の強迫観念の一種です。

これが行き過ぎてしまうと、強迫性障害の加害恐怖の一種※と見なされることが少なくありません。(※確認強迫も関係します。)

 

加害恐怖で車の運転が難しいケースが多い

 

強迫性障害を抱えている人のうち、

 

〇車の運転が怖くて苦手である

〇誰かをはねてしまったのではないか?

 

という加害恐怖を覚え、身動きが取れなくなる人がいます。
特に、乗車中に車から何か音がするとそのような風に感じる方が少なくないようです。

また、

「自転車とすれ違う度に人を轢いてしまったのではないか?」と不安になり、車を停めて、現場に確認しに戻る人すら存在するのです。

 

今回は、車の運転に関する強迫観念(≒加害恐怖)を克服するにはどうすればいいか解説していきます。

ある男性[Aさん、40代、会社経営]の実例:

 

ある男性は、ある時、付き合っていた彼女に妊娠したことを告げられた。この男性は元々、非常にまじめな性格であったため、そのことに大きくプレッシャーを感じていた。

彼女の妊娠を契機に結婚式を挙げることになったのだが、結婚式が近づくにつれて、車の運転中、「人にぶつかって、誰か人を轢いてしまったのではないか?」「当て逃げしてしまったのではないか?」という加害恐怖に強く悩まされるようになり、いちいち帰宅後、自分が走行してきた車道を確認しにいくようになった。

本人曰く、「本当に怖かった」という。

この心理状態は、結婚式が終わるまでの数年間続いたが、無事、式を終えるにつけ、嘘のように消えていったと言う。このように、人は不安レベルや緊張レベルが人生の重大イベントの発生に伴い、上昇する。

このようなとき、生真面目で心の優しいひとは、強迫性障害を発症することが少なくないと言われている。

 

加害恐怖による車の運転を克服する具体的な方法;

 

そもそも本当に人を轢いていたら、バンパーや車体が大きくへこみます。
理由は下記の通りです。


“力学上、数十km以上の速度で車体を走らせている時、それが人にぶつかったときに生じるエネルギー(運動エネルギー)は以下の通りです。”

 

K[J]=1/2 x mv^2車の重さを1000[kg]、速度を13.889[m/s]※1とすると、 ※1:時速50km

K[J]=1/2 x 1000 x 13.889^2
=96451[J]

となります。

軍事利用されるアサルトライフルの運動エネルギーは2000~3000[J]と言われています。

例えば、
AK-47 (カラシニコフ)の銃弾重量は、
0.0079[kg]

初速は、
715[m/s]※2  ※2:空気抵抗は無視

K[J]=1/2 x 0.0079 x 715^2
=2019[J]

 

となります。

このように、

走行中の車はライフルを遥かにしのぐ途轍もないほど大きなエネルギーを発生させています。

 

多くの人は信じられないことと思いますが、事実です。

上の計算では自動車が50㎞で走行している時に保有するエネルギーはアサルトライフル(AK-47)から射出された銃弾の実に約48倍もの力だということです。

したがって、現実に人をはねてしまったのであれば、かなりの低速度であったとしても車体に大きなへこみが確実に生じます。

 

どうしても強迫観念で人をはねたのではないか気になってしまう方は、車体を確認されてください。

✅何のへこみも生じていないことに気づくはずです。それは貴方は何もしていないことを意味します

 

中には、自動車整備士のところや警察に自分で電話したり、行かれて確認を取られしまう方もいらっしゃるようですが、このような単純な物理学の基礎知識を知っていれば、その必要もなくなります。

ドライブレコーダー(ドラレコ)を確認する


ドライブレコーダーをつけていれば本当に人を轢いてしまったのか確実に確認できます。

どうしても気になる人は付けておいた方がいいですし、もし本当に交通事故が起きた際、自分の身を法的に守るためにも付けておくのはいずれにせよ得策です。

こうしたことも本当は克服の観点からはあまり褒められたことではない(実際はプラスでもマイナスでもない)という話もありますが、特に気にする必要はありません。その理由は下記の通りです。

確認すること自体を止める

確認するのを止めることも重要です。(しかし、確認強迫があまりに酷い方はこのプロセスは逆効果になります※)
そもそも交通事故を起こしそのまま放置していれば、事故現場は大騒ぎになっています。

(これは暗くなった夜間の運転でも同じ話です。)

しかしながら、何も騒ぎになっていないということはあなたは何も起こしていない証拠です。

※しかし、強迫観念は抑制するほど高まるという性質を持っているので、無理に確認をやめようとすることは禁物です。


無理に自分の衝動をコントロールしようとすること自体が文字通り無理なことなのです。
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どうしてもこれらの方法でどうしようもない場合:


↑加害恐怖の改善、対策方法についての私の解説です。

まずは、当ブログにある方法をまず試されてください。

車の運転も楽にこなせ、そして克服できるようになっていくはずです。
色々こうしたことで悩んでいると自動車免許の更新も躊躇しがちになるかと思います。

せっかく苦労して取得した免許を無駄にしないためにも、ぜひ、克服されていかれてください。
こんなことのために、また自動車教習所に通うことになるのは正直、面倒なはずです。

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