1. Page 47

強迫性障害をヨガで克服【最新版】

(最終更新日:2023/08/01)

(概要:)
強迫性障害の自力での克服にヨガは非常に有効です。
強迫性障害の克服に有効なヨガのポーズについて今回、解説します。

結論を先に言えば、強迫性障害に効果的なヨガのポーズは前屈系のヨガの姿勢です。


前屈系のヨガのポーズは、不安を抑える作用があることは有名な話です。

たとえば、B.K.S. Iyengarというヨガの世界的指導者は、前屈系のヨガのポーズが精神安定に必要不可欠であるとその書の中で語っています。

強迫性障害に有効なヨガのポーズ

強迫性障害の克服に有効なヨガのポーズは、

 

〇パスチモッタアーサナ
〇ハラアーサナ

 

ですので、順を追って、動画付きでこれらのポーズについて説明していきます。

〇パスチッタアーサナ

学校の体育の授業の授業でやった前屈とほぼ同様です。
ポイントは背筋を伸ばしたまま前屈するということのみで、みぞおちを腿(もも)につける心持ちで、前屈していき、限界まで行ったら、そこで15秒から30秒耐えます。

体が硬い人は、無理せず、膝を曲げて行ってください。
それでも効果は十分にあります。

ポーズは終わったらシャバアーサナで数分間休憩し、もう1セット余裕があれば行います。

※パスチモッタアサナに限らずハタヨガのポーズはゆっくりと動作を行ってください。(※学校の体育の時にやったような反動をつけたり、一気に前傾したりしない)

〇ハラアーサナ

これも前屈系のヨガのポーズで鋤(すき)のポーズとも呼ばれます。パスチモッタアーサナよりも強烈に腹筋が収縮するので効果は高いです。

仰向けに寝て、腰を両手で支えながら、足先を頭の上の床につけます。ポーズが完成したら、その状態を15秒~30秒維持します。

それから元の姿勢(仰向け)に戻り、小休止を挟んで余裕があればもう1セットできると良いのです。

慣れてきたら足とは逆方向に腕を伸ばし掌(てのひら)を組んで行うようにします。(より強度が増すので、より腹筋が強烈に収縮し背中の筋肉もより強烈に伸長します)

順番

◎ハラアサナ→パスチモッタアサナ

ハラアサナはパスチモッタアサナの準備的な意味合いが強いポーズ。
事前に行うとパスチモッタアサナが非常にやりやすくなる。

前屈系のヨガのポーズは精神をリラックスさせる

前屈系のヨガのポーズは、腹筋、みぞおちが激しく収縮し、背中の筋肉を強烈に伸ばします。

やってみるとわかりますが、これらのポーズを実行すると、直後、深いリラックス感が途端に得られ、脳内で快楽物質が増えて、呼吸が一気に深くなっていることに気づきます。

 

✅ストレスまみれの人、深く落ち込んでいる人ではみぞおち周りが必ず硬くなっています。例外は存在しません。
これらのお腹の筋肉を強烈に刺激するヨガのポーズを行うと、インスタント的に呼吸が深くなり、より深淵なるリラックスを誰しも感じられます。

 

コラム:筋肉の仕組みについて

筋肉は思い切り力を込めて収縮させると、その後、力を抜いた瞬間に一気にその力を込めた筋肉部位は弛緩します。

すなわち、腹筋、みぞおちを強く収縮させると、収縮の反動で弛緩が訪れます。筋肉は収縮させると、弛緩する働きをするのです。

丁度、「振り子が必ず逆極へ触れる」のと同じ話です。↓

ですから腹筋、みぞおちを強く収縮させる前屈系のヨガのポーズを行うと、腹筋、みぞおちの筋肉が開放されて、リラックスします。

特に強迫性障害の人ではストレスが溜まっているので、みぞおちは確実に固くなっていますから、ヨガを行うことで、みぞおちの拘縮は解放されることになるのです。

みぞおちが柔軟になれば呼吸が深くなるので、精神はリラックスします。

〇バックベンド

バックベンドは壁を使って行います。

バックベンドを行う理由は、前屈系のヨガのポーズばかりやっていると、腰痛になるので、バランスをとるために、前屈に合わせて後屈を行うという目的です。1セット30秒くらいを数セットくらい行えれば十分です。

強迫性障害の克服になぜヨガが効果的なのか?

強迫性障害の自力での克服にヨガが有効な理由は、そもそもヨガ自体に、強迫性障害で不足しているGABAを増やす作用が科学的に確認されているという事実があるわけで、言うまでもない当然の話になります。[1][2]

古人の知啓は決して侮ることはできません。

というよりも、古人の知啓にすべて回答は存在しているくらいです。

モチベーションアップ:ヨガを極めたBKS.Iyenger師の実演

ヨガのコツ

 

⑴動作はゆっくりと行う(反動をつけて行わない)
⑵収縮箇所(=痛いところ)に意識を強く置く
⑶無理はしない(体が硬いほど逆に効果が出やすい)
⑷ポーズの合間に休憩(シャバアーサナ)を挟む
⑸ヨガはストレッチではないことを知る(動作中に自分の体の筋繊維の伸縮に意識を強く置き集中します)

 

強迫がある人は肩や首、腹筋、胸、背中等の特に上半身の筋肉がこっています。
そして、下半身(足首、膝、太もも)の力が抜けています。
上半身の筋肉が柔軟になればなるほど、下半身に力がこもります。

武道でいう所の上虚下実の状態です。
従って、常日頃からヨガを行うことは精神安定に必ず役に立ちます。


又、ヨガはストレッチではありません。
ハタヨガは動的瞑想法の一種で、筋線維の伸長、収縮の感覚またはその痛みへの意識集中を必ず行ってください。

ヨガを行うのに最適な時間帯:

起床後就寝前です。

起床後に多くの人の調子が悪いのは筋肉が長い就寝時間の間にこるからです。
筋肉が柔軟になるにつれて呼吸は深くなり、したがって、精神的な調子は整っていきます。

就寝前にヨガを行うと睡眠が深くなるので非常におススメできます。

⚠パスチモッタアサナ以外のポーズは空腹時に行われてください。

 

(関連記事:)
強迫性障害を瞑想で克服する方法
強迫性障害を運動で克服【まとめ】

まとめ

〇強迫性障害の克服に有効なヨガのポーズは前屈系。
→(パスチモッタアーサナ、ハラアーサナ)
〇前屈系のヨガのポーズは抗不安効果がある。
〇腰痛対策に必ずバックベンドも行う。

ヨガも習熟してくると気休めレベルではないので日々実践されることが非常に大切です。

強迫性障害を自力で克服【最新版】 (☜ブログ記事一覧へ戻る)

(参考文献:)

[1]:https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/acm.2007.6338
[2]:https://www.liebertpub.com/doi/full/10.1089/acm.2010.0007
https://yoga.ayush.gov.in/