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強迫性障害の加害恐怖を克服するコツ

(最終更新日:2023/09/21)

強迫性障害の加害恐怖を克服するコツ

✅私の体験上、強迫性障害の中でも加害恐怖はかなりキツイものでした。

細菌恐怖や不潔恐怖も過去の私にはありましたが、加害恐怖※ほどキツイものではありませんでした。
(※加害強迫ともいわれることがあるようです)

加害恐怖を克服していくためにはどうすればいいのでしょうか?

 

✅今回は加害恐怖の具体的な克服法について述べていきます。

 

加害恐怖とは?

 

加害恐怖とは強迫性障害の症状の一種でたとえば、

〇「誰かを傷つけてしまうのではないか?」
あるいは
〇「誰かを傷つけてしまったのではないか?」


というような「自分が他の誰かに加害を加えたのではないか?」という強迫観念に捉われ、身動きが取れなくなってしまう状態を指します。

 

具体的な事例では、たとえば、「車を運転して家に帰宅したが、その道中で、もしかしたら人を轢いてしまったのではないか?」という考えが頭をよぎり、それが気になって仕方がない状態になります。

 

そして、酷い人になると警察へ交通事故の確認の電話連絡を入れてしまうようなケースも存在します。(しかも実際に何も事件を起こしていないのにも関わらず自首してしまう人も存在します)

他にはコンビニやスーパーのレジでお金を払わずに万引きをしてしまったのではないか不安になってしまう人もいます。

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一般に、加害恐怖は強迫性障害において頻繁に散見されるものであるとされています。

加害恐怖はSNS(≒ネット)の普及で増えている

 

最近では、
「ネットに関する加害恐怖、例えばSNS(ツイッターやライン、Facebook、インスタグラム、TikTokなど)で暴言メッセージや卑猥な言葉を誤って友人に送信してしまったのではないか?」という加害恐怖に悩まれる方も多くなっているようです。

また、『ネット犯罪に手を染めてしまったのではないか?』と極度に不安になり発狂しそうになる人も存在します。

(私の所への相談件数がこの種のSNSの普及に伴い実際に劇的に増えております)

 

加害恐怖の内容は人によって異なる

強迫性障害における加害恐怖とは、
繰り返しになりますが、

〇「このままでは誰かを傷つけてしまうのではないか?」

〇「誰かを傷つけてしまったのではないか?」

という思考に四六時中頭が捉われている状態を指します。

 

“強迫性障害における加害恐怖のバリエーションの他の事例”

⑴たとえば、鋭利な刃物を持っている時(料理の時など)、
「これで誰かを刺して傷つけてしまうのではないか?」
「殺人を犯してしまうのではないか?」などという考えに捉われ続けたり

先ほども述べましたが、

車の運転をしているときに、「誰かを轢いてしまったのではないか?」という想念が湧き、その考えに四六時中、とらわれ苦しみ続ける状態を指します。

 

バリエーションは山ほどあり、強迫性障害の人の数ほど加害恐怖も存在するので、一概には言えませんが、
「基本的に誰かを傷つけてしまうのではないか?」という思考に捉われている状態を加害恐怖といいます。

加害恐怖のことを”侵入思考と呼ぶこともあります。

 

なお、加害恐怖に相対する概念に被害恐怖というものもあります。
被害恐怖に関してはこちらの記事を参照ください。↓

(関連記事:)
【強迫性障害】被害恐怖を克服する方法 (まとめ)

加害恐怖を克服する方法について:

 


↑本ブログ記事の解説動画をアップしました。

 


(↑動画の克服法/対策の簡単図解)

 

〇脳の機能が加害恐怖を生んでいるという事実を常時確認する

これは他のページにも書いていることなのですが、
加害恐怖を克服するには「自分の脳の機能が加害恐怖の症状を産んでいる現象に過ぎない」と自分自身に言い聞かせることです。

「自分の脳が強迫性障害脳の状態」に陥っているのだという事実を繰り返し繰り返し、何度も何度も、自分自身に言い聞かせるといいのです。

頭の中で言語化して言い聞かせてもいいですし、紙に書いてそれを目で見て視認してもいいです。
紙に書いたモノは常時携帯し、不安に押しつぶされそうになる時、見るようにされてください。


実際に加害恐怖に苦しんでいた頃の私はこの方法を用いていました。この事実を自分に言い聞かせる/視認するだけで気持ちが随分楽になったことを記憶しています。

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〇強迫性障害の加害恐怖で人に危害を及ぼした人はこの世に存在しないという事実を確認する

 

そもそも強迫性障害の加害恐怖によって人に危害を及ぼしたという報告は世界中、どのような権威ある機関からも組織からも、そのような報告が一切なされたことはないのです。

 

ですので、加害恐怖に苦しむ人が実際に他人に危害を及ぼす確率は間違いなく0%です。

 

加害恐怖に苦しむ人は、そもそも「他人を傷つけてはいけない!」という自己モニタリングが尋常ではないほど既にできている人たちです。

 

このように、自己モニタリングが十二分にできているが故に生じる苦しみなのですが、自己モニタリングができている人が、他人を恣意的にあるいは無意識的に傷つけるということはありえないことなのです。

 

他人に危害を及ぼす犯罪者とは、一般に、この自己モニタリング機能を過度に欠いた人たちなのです。したがって、反省心も罪悪感も彼らにはありません。

この事実を確認するだけでも気持ちは大分楽になるはずです。

大丈夫です。安心されてください!

〇有名人も加害恐怖に苦しんでいるという事実を確認する

 

また、他の方法では、
「有名人でも加害恐怖に苦しんでいる人は多い」のであるからと、強迫性障害に苦しむ有名人、芸能人、セレブなどに思いを馳せると気が楽になります。
こうすることで「あの国際的な有名人ですら、加害恐怖に苦しんでいるのだから・・・・・・」と開き直ることもできるようになります。

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ヒトは他の誰かも同じことで苦しんでいるという事実を確認すると安心するという心理構造を持っています。
しかも、その相手が有名人であるとすれば、なおさらかなり気は楽になるでしょう。

 

[強迫性障害の克服には開き直りが重要:]
あれほど有名で功績のある人物もしくは天才ですら強迫性障害で悩んでいた(る)のだと認識できるわけですから––––––。

こういうときはむしろ開き直って「あの有名人や天才と同じ病気だ!やったー!」みたいに喜ばしいことでは決してないですが、無理にでもそう思いこんだ方が、気持ちも遥かに明るくなるのでよいでしょう。

 

若干不謹慎な話ではあるのですが、破れかぶれであったとしても、ネガティブに落ち込んでいるよりも、開き直った方がほぼ確実に改善は早いのです。

過去の私などは自分を天才だと思い込んでいました。
天才だからこそ、こんな不運が自分にばかり降りかかってくるのだと・・・・・・。(今でも天才だと本気で感じていますが笑)

〇運動の習慣をつける

運動は強迫性障害の克服に効果的です。したがって、加害恐怖の緩和にも貢献します。

 

✅:私のクライアントのある方は、私が指導する運動の習慣をつけただけで、劇的に強迫性障害の症状が短期間(数週間)で改善したと報告されました。

その方は「どんな薬を飲んでも、どんな療法をうけても全く改善しなかった加害恐怖の症状が運動によって劇的に改善された」と嬉しそうに報告されました。

 

また、国際論文においても運動は強迫性障害の症状の克服にかなり効果的であるとの報告が既に数多くなされています。

 

過去の私は毎日ジョギングの習慣をつけて夜に数Km走っていました。その習慣を半年から1年継続したところ、加害恐怖の症状は軽快し、ほとんど気にならなくなった経験が実際にあります。

 

運動をするとセロトニンが増えます。しかし、セロトニンはあまり重要ではなく、それよりもGABAという神経伝達物質の方が重要なのです。

運動の習慣をつけることで、GABAが上昇するということは、科学的に解明されている事実です。

 

又、運動をするとエネルギーが消費されます。
思考方面(=加害恐怖)で消費されるエネルギーと体を動かして消費されるエネルギーは全く同じモノです。
 

従って、運動をして体をよく動かしてエネルギーを消費してしまえば、思考方面へ向かうエネルギーは必然的に減ります。
(=強迫観念の弱体化)

 

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〇薬物療法

強迫性障害でも重度の場合、薬物療法が必須になってくる場合があります。
コツは薬物療法だけを実行するのではなく、必ず運動療法と栄養療法と併用するということです。

私の経験上の話ですが、特に運動やサプリメントを併用すると薬を飲んでいてもほとんど不快な副作用がでなくなります。強迫性障害の加害恐怖も他の症状もそうなのですが、精神論や根性論でどうにかなる問題ではありません。

強迫性障害は純粋な脳の機能の問題ですので、どうしようもなく酷い方は私のYouTubeを見られてみてください。

私のYouTube

サブチャンネルの方は私の公式ブログに存在するブログ集から行けます。(現時点ではメインよりもサブの方が高品質です)

まとめ

✅強迫性障害の加害恐怖は最も苦しい強迫観念の一種だと私は思っています。既報の通り、過去の私が最も苦しんだのがこの加害恐怖の症状でした。(地獄以上の地獄でした)

そして、経験者はご存知かと思いますが、この加害恐怖の強迫観念というのも移り変わっていき

「あるときは”ある内容”の加害恐怖に苦しんでいたが、今度は”違う内容”の加害恐怖に苦しみ、次はまた”違う内容”・・・・・・」という地獄のようなプロセスの無限ループに陥っていくことが非常に多いのです。

これは私だけではなく私の他のクライアントの方も「同じ経験をした」と話しておられる方が数多く存在していました。


まず、いますぐできる克服の方法は、以上に話した事項です。

愚直に実行されていかれれば、まず間違いなく改善されていくはずです。
それでもどうにもならないような問題は私にご相談ください。

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