強迫性障害で火事が怖くて家から出られない人へ

(最終更新日:2023/08/01)

 

✅強迫性障害のせいで火事が怖くて家から出られない人(外出できない人)がいます。一般に「火災恐怖の確認強迫」と呼ばれることもあります。


今回はその克服法または対策について
書いていきます。

強迫性障害で火事が怖くて家から出られなくなる主な原因:

 

それは脳内の神経伝達物質のうち不安や恐怖に関わる神経伝達物質が過剰に分泌され、
同時に、心の鎮静に関わるGABA(γアミノ酪酸)のような神経伝達物質が過度に欠乏しているために起こる現象です。

 

GABAが過度に不足すると、極限的に不安感や恐怖感が増大します。こうなると確認せずにはいられないという強烈な確認強迫の衝動が出てきます。

(動物でも不安レベルが増大するほど確認を繰り返すということが知られています。註:人間も動物の一種)

 

自分の外出中に自分の家が火事になるのが病的なほど怖いというのは確認強迫の一種ですから、この種の人の脳内のGABAレベルは過剰に低くなっています。

逆に、こうした状態の多くはGABAレベルを上昇させるための方法論を策定することで解決していくのです。

〇実際の事例:Cさん 30代 職業 弁護士

私の顧客の方にCさんという方がいます。Cさんは元々名門中学に合格し、その後、名門大学、上場企業・・・・・・といった風にいわゆるエリートコースを歩んできました。Cさんの家系は叔父も祖父も弁護士で、幼いころから勉強を強制される息抜きのできない家庭だったと言います。
Cさんの強迫性障害の症状がひどくなったのは30代半ばの頃でした。

その主な症状は「外出すると自分の家が火事になるのではないか?」という強迫観念に常に悩まさられ、火の元が気になり外に出るのが非常に難しいといったものでした。

きっかけはCさんの話では、「職場で管理職に抜擢され、毎日のように人前(ミーティング)で業務内容のプレゼンをしなければいけなくなったことによるだろう」と言われていました。

そのストレスによりもともと繊細で優しいCさんは、火事が怖くてガスの元栓の確認を何度も繰り返したそうです。
「しかも安全装置までも確認しないと気がすまなかった」と言っていました。

精神論的な対策

そもそも今ではガスの元栓を切り忘れても火災が起きることは、まずありません。

というのも、今現在は昔とは違い、たとえば都市ガスなどですとすべて安全装置(マイコンメーター)がついており、「地震が起きたとき、またはガス漏れ、器具の消し忘れなどの異常事態が発生しているかどうか」を常にモニターし、異常を検知した場合は自動的に止まるようになっているのです。

根本的な対策または克服法

火事が怖くて確認癖の強迫観念が抜けないという人は私のこのブログで紹介している強迫性障害の克服法を今すぐ実践されてください。

運動の習慣をつけることやサプリメントの摂取などはクスリの摂取の他に強迫性障害の克服に役立ちます。

✅すべてを同時進行で行うことがポイントです。

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こうしたことを愚直に継続していけば、「火事が怖くて家から出られない」という強迫観念または確認強迫などは一掃されていく
はずです。

こんなもので治ったら誰も苦労しないとお考えの方も存在するかもしれませんが、こうした基礎的なことほど本当は効果があるのが実情なのです。

過去の私の体験談(確認強迫)について:

過去の私自身は重い強迫性障害の症状に悩み、大学生時代の下宿で、学校へ行く前に

〇ガスの元締め、
〇エアコンのつけ忘れがないかどうか、
〇家の鍵がきちんとかかっているかどうか、
〇大切なモノをいつのまにか捨ててしまったのではないか、

といったことを最低でも5回以上は確認しないと気がすみませんでした。
また、

〇コンセントに埃(ほこり)が溜まり待機電力により発火するのを恐れ外出時はコンセントを全て抜く

というような事までやっていました。

今考えると笑い話になってしまうのですが、当時はこのようなことを真剣に悩んでいました。
それは自分の意志や根性でどうにかなるような問題は一切ありませんでした。

本当に自分の無力さを痛感したものでした。

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また、
「自分にとって大切なモノを無意識のうちに捨ててしまったのではないか?」という強迫観念に襲われ、ゴミの集積所まで言って、自分の家のゴミ袋の中身を確認していたほどです。

それが上で紹介した自力での克服法を実践することで嘘のようになくなり、また、元々存在していた極度の神経質という気質自体までも変えることに成功したのでした。

✅「強迫性障害は脳の機能が産んでいる」という事実に気づくと、克服の道程はよりスムーズになっていくことでしょう。

⚠強迫観念や強迫行為に悩まされるのはあなたが潔癖で細かい性格だからではありません。
”脳の機能が強迫観念や強迫行為に悩みやすい状態になっているから”
というのがより正確で的を射た表現です。

まとめ

火事が怖くて家から出られない確認強迫が強い人は、今すぐできる当ブログにある方法を実践されられてください。

こうした克服の方法を実践していくと徐々に徐々に改善されていき、最終的には強迫性障害のこの種の強迫観念自体を

「バカバカしい」
「どうでもいい」

と自然と思えるようになっていくはずです。

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