強迫性障害に効果的なサプリメント【最新版】

(最終更新日:2023/10/20)
(概要:)

✅今回は、強迫性障害に効果的なサプリメントについての基礎情報を簡単にまとめておきます。

強迫性障害の自力での克服にサプリメントは非常に有効です。

 

なぜ強迫性障害にサプリメントなのか?

 

強迫性障害の人がサプリメントを摂取することで、例えば脳内の神経伝達物質を増やしたり減らしたりできます。

つまり、サプリの摂取で強迫性障害で過剰になっている神経伝達物質は減らし、欠乏している神経伝達物質は増やすということが可能になってくるというわけです。

 

ビタミンB6と亜鉛

 

✅ビタミンB6(ピリドキシン)亜鉛
GABA(γアミノ酪酸)の生成に必須
です。


ビタミンB6と亜鉛が欠乏するとGABAが慢性的に不足することになるので、リラックスできなくなります。

 

強迫性障害を克服するには、セロトニンよりもGABAを増やすことが最重要課題です。

GABAは精神をリラックスさせ、心を安定させる神経伝達物質です。

 

 

ビタミンB6亜鉛GABAの産生を強化します。

 

したがって、強迫性障害の人はこれらのサプリメントの摂取を検討すると良いでしょう。

 

なお、このことについての科学的エビデンスに関しましては学術的に既に常識レベルの事象となりますのでソースの添付はもはや行いませんが、掘り下げたいとお感じの方につきましては私の別ブログを参照ください。

 

 


⇧最近サプリについてアップデート情報の解説を投稿しました。

ビタミンB6

ビタミンB6は脳内のGABAやセロトニン、ドーパミンを増加させることで知られる水溶性ビタミンの一種です。

 

脳内ビタミンB6濃度は血中濃度のそれよりも遥かに高いです。それはビタミンB6が心の安定に重要な神経伝達物質の合成補因子として機能しているためなのです。

脳内の血中濃度がより高いという事はビタミンB6はそれだけ脳の機能(≒精神)に深く関わる栄養素だということを意味します。

強迫性障害やうつの人などではビタミンB6の血中濃度が顕著に低下していることが知られていますが、この種の人ではGABA等の精神安定に関わる神経伝達物質が低下しているため、驚きに値しません。

亜鉛

亜鉛は人体200種類以上の酵素反応の触媒として機能し、GABA合成の補因子として機能するミネラルです。

 

亜鉛不足になると知能の低下、認知機能の脆弱さ、感情コントロールの問題の発生、または強迫性障害の症状が発現しやすくなります。
亜鉛を増やすとノルアドレナリンやアドレナリンは減少していくので、強迫性障害も比例する形で改善されていきます。

強迫性障害に限らずうつ傾向にある人は亜鉛が不足していることが知られています。

亜鉛が最も多く存在するのはビタミンB6と同様にやはり脳です。
それだけ亜鉛は精神に多大な影響を及ぼすミネラルの一種だということが可能になることでしょう。


↑私のサブチャンネルの方で解説しました。(サプリについて)
別動画で加害恐怖等も個別での解説しています。

マグネシウム

 

✅マグネシウムは、筋肉を緩め、気管を拡張するので、呼吸を深くする作用があります。

さらには、
GABAを直接的・間接的に増やす作用自体も存在します。

 

強迫性障害の人ではGABAが確実に不足しているので、マグネシウムもその克服に有効なサプリメントになります。

 

”マグネシウムは土壌汚染や加工食品等の影響により亜鉛に次いで不足しがちなミネラルになります。
さらには、クスリを慢性的に摂取しているとマグネシウムが過剰に消費され、その結果、欠乏することがわかっています。”

 

したがって、マグネシウムを補給することは強迫性障害の克服に役立ちます。

なお、B6と亜鉛、マグネシウムは一緒に飲むと、相乗効果で吸収効率が高まります。
(註:必ずしも同時に飲めばいいという意味ではありません。1日を通してという意味合いになります。)

 

ビタミンD

ビタミンDは主に認知機能増強に寄与し、また気持ちを明るくする抗ストレス作用があることで知られ、今現在、最も研究されている脂溶性ビタミンの一種です。

 

強迫性障害のような心の異常の方の場合、ビタミンDレベル[1]が低下している場合が少なくないという報告が近年、為されています。

 

余談となりますが、実際に日照不足から心に問題を抱える人が北欧では多発しています。

 

なお、極めて重要なことなので、この場に注意書きをしておきますが、
⚠”ビタミンDはマグネシウムが生体内に十分に存在しなければ効率的に吸収されることはありません。”

 

したがって、ビタミンDを摂取すること以上に、事前にマグネシウムを食事やサプリメントで十分に摂取していくことが最も大切になります。
又、ビタミンDは日光を良く浴びていないと生体内で生成されづらくなるので、日頃からよく日光浴しておくことが重要です。

ナイアシン(またはナイアシンアミド)のサプリの問題点

ナイアシン(またはナイアシンアミド)は、これは私のアメブロのほうで書いていますが、効果の出る方には非常に大きな効果が出ることがあるモノの強迫性障害の方には一般に体質的に合わない公算が大きいです。

「合う」と絶対的に自覚する方は摂取を継続すると良いかと思いますが、基本的には強迫性障害には向かない蓋然性は高いです。

(しかも継続するほどマイナスになる可能性が有る。そのため別ブログにしかこのことは今まで記載していなかった)

 


↑これが別ブログの該当記事です。

 

作用機序としては、末梢ベンゾジアゼピン受容体または末梢GABA受容体等を通して腸脳相関の様なメカニズムで脳内のGABAレベルを間接上昇させることがわかっています。

 

要するに、思考過剰減弱作用、抗不安効果が確認されているわけです。

また、ナイアシンはトリプトファン絡みの理屈でセロトニンを増やす作用機序も持っています。

 

ナイアシンは強烈な紅潮、痒みが発生することがありますので、それがほぼないナイアシンアミドの方が初心者向けでしょう。

 

ただし、強迫性障害の方には繰り返しとなりますが基本的には推奨はしません。
私は今現在このサプリメントを一切摂取していません。

イノシトール

イノシトールは、B系ビタミン(正式なビタミンBではない)の一種の水溶性ビタミンの一種です。

イノシトールは神経伝達物質の代表的なセカンドメッセンジャーであるため脳内の神経伝達物質(GABAやセロトニン含む)を最適化します。

強迫性障害に効果があることが研究[2]により認められていますが、抗不安作用があることが特徴です。

 

「強迫性障害への推奨摂取量はかなり多めで研究では1日18g摂取しないと優位な効果が見込めない」とする論文が有名です。

イノシトールはナイアシン(ナイアシンアミド等)と違い、強迫性障害に対しては比較的低リスクす。

味もザラメ糖のように甘く、おいしいのでスプーンでパウダーをすくって摂取することが容易に可能です。(このような性質から子供の不安障害にも良いでしょう)

イノシトールはパウダーの製品をおススメします。スプーンで直接摂取した方がカプセルで飲むよりも心理的・物理的負担も小さく、分量調整もしやすいのでおススメできるわけです。

あまり大量に摂取すると、軟便や下痢を起しますので、起こらない範囲での摂取を心掛けると良いでしょう。

また、不安エピソードや強迫エピソードが強まったときに、頓服的に摂取するのが基本的な使い方です。

 

 

コラム1:ビタミン、ミネラルの感情への影響について】

ビタミン、ミネラルと感情の関係


↑一般に感情安定には優先すべきはミネラルの方である

注意事項:

強迫性障害の自力での克服にセロトニンが重要だというのは、プロパガンダの一種の蓋然性が濃厚なので無視していただいて良いと一般論として、私は考えております。

例えば、これだけ多くの人が脳内セロトニンレベルを増強するクスリを飲んでも、「強迫性障害が一向に治らないという人が大半である」という事実を鑑みてみれば、この私の主張が正しいということの一つの傍証になりえるでしょう。

強迫性障害でセロトニンを増やしたい人へ


↑どうしてもセロトニンを増やしたい人にはトリプトファンではなく
5-HTP(アミノ酸)を推奨します。5-HTPとはセロトニンの前駆物質でトリプトファンよりも吸収率が高いです。

✅GABAというサプリメントが巷で売られております。
だったら、「それを飲めばいいのではないか?」と思う人が少なからずおられると感じます。
最近では、チョコレートに入っていたりしていてリラックス作用があると巧みに喧伝されていますが、

GABAサプリメントは、そもそもギャバの分子サイズ自体が大き過ぎるため、血液脳関門という脳の関所(フィルター)を通過できず、サプリとして飲んでも脳にほぼ吸収されないのです。
したがって、ほとんど有効な効果は見込めません。

ただし、血液脳関門のサイズには個人差があり、中には吸収可能である人も存在するというのも事実※です。
(※しかし、実はこれは良いことではありません)

 

なお、鉄サプリの過剰摂取は体内酸化レベルを増大させ心臓の炎症を促進すること、腸内の悪性菌(毒素)を増殖させる作用が知られています。

これが私が鉄などを公で推奨しない主な理由です

 

まとめ

強迫性障害に効くサプリメントは、

✅ビタミンB6
✅亜鉛
✅マグネシウム
✅ビタミンD
等です。もちろん、
✅ビタミンC
も推奨できます。ただ、書くまでもないと思ったのでリストに載せませんでした。 

✅イノシトール
も若干のリスクはありますが一応、推奨することができます。

 

この場では、私は顧客の方と差別化するため、恣意的に極めて基礎的な情報のみ提供しています。

 

また、多くの方に対して汎用性のない情報※1はこの場には意図的に記述しません。
(※1ある人には効果的であっても、ある人には有害な公算の高いモノ。私のアメブロにそこらへんの詳しい情報は記載させておきました)

 

私の専門の個人指導※2は有料になります。
(※2ネットで調べると出てくるような浅い情報では断じてございません。)

 

個人指導の詳細はこちら

 

「多くの人はサプリメントごときで強迫性障害が改善したら誰も苦労しない」と過度にこうしたものを軽視する嫌いがあります。

(もっとも本当に効果のあるクスリを使用すればよりインスタントに効果がでますが・・・・・・。

 

しかし、その考えは完全に誤りです。
(嘘だとお感じの方はまず疑う前に、ご自身で実践され冷暖自知されることをおススメします)

 

過去の私はこうしたことを過度に軽視していたせいで、余計な遠回りをすることになったのです。

 

また、
サプリだけでなく、食事も強迫性障害を自力で克服するために非常に重要になります。
(栄養の吸収効率は、食事からの摂取はサプリメントからのそれと比較にならないほど高いです)


サプリだけで克服は可能なケースも多いですが、食事、運動、生活習慣の改善も同時併行で合わせて行った方が改善はまず間違いなくブーストしていきます。

 

場合によってはクスリとの併用を検討する必要もあるでしょう。


最期に「何を食べるか?」ということも無視できないファクターになりえるのです。
腸内環境を整えるのは根本的には食事を改善するしか方法はまずありません。



詳細は下記の記事を参考にされてください。↓↓↓

 

 

[1]:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S016517811631441X?via%3Dihub

[2]:Inositol treatment of obsessive-compulsive disorder

https://nutritionj.biomedcentral.com/articles/10.1186/1475-2891-7-2?fbclid=IwAR3l_wyUbMv1F_coLI2cFKW1ejzOSeViRZtBJQ_dF-OPzUWA6-JNBIfmMcI

https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2007/0815/p549.html

https://www.cambridge.org/core/journals/bjpsych-open/article/dietary-quality-and-nutrient-intake-in-adults-with-obsessivecompulsive-disorder/A719CD5CF96AB8B48C0CE2096E870748

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7066598/