強迫性障害で仕事を辞めたい、辛いと考えている人へ【解決法】

(最終更新日:2023/08/01)

 

強迫性障害の方で特に確認強迫で仕事を辞めたいと考える人が多いです。

私の所に「強迫性障害のせいで仕事を辞めたい」という話が数多く寄せられています。

 

今回はその根本的な解決法について詳しく書いていきます。

強迫性障害で仕事を辞めたい、辛いと考える理由:

【私の所に寄せられる相談は以下のようなモノが多いです。↓↓↓↓】

 

 

〇パソコンでの重要書類の作成(打ち込み)作業を完成したにもかかわらず何度も確認してしまいあまりにも辛い、あまりにも疲れてしまう

〇パソコンでの打ち込み作業で字の書き直しを何度も何度も繰り返してしまい遅くなってしまう

〇取引先への商品(製品)の発注数の数量が間違っていないかどうか何度も確認してしまう

〇ミスを異常に気にして作業がいつになっても先に進まない(=仕事が遅い)

〇職場の作業スペースにパーテーション(衝立)がないため同僚の視線や一挙手一投足が視界に入り、集中できずストレスがたまる

〇同僚の咳払いや息遣い、話し声が気になり仕事に集中できない

〇自分の鼻の頭が視界に入るのが気になり不快。まぶたの裏が常に視界に入り仕事に集中できない。常に口の中の唾液が気になり仕事に集中できない。

〇強迫観念に常時頭が取られているので、覚えなければいけない作業を身に着けるまで異様に時間がかかる

〇職場で迷惑者扱いをされており「はぶり」「いじめ」で職場に行くのが怖い、強い不安がある等※

 

 

などが多いです。

 

 

✅一般に、普通の人ではほとんど気にならないようなことを強迫性障害を抱える方の場合、過剰に気にし、それによって仕事がはかどらずに遅くなってしまい、過度のストレスを抱えこんでしまっている場合が少なくありません。

 

(※いじめは別問題で強迫性障害のない人でも悩んでいます)

この種の問題を克服していく場合は、以下のような方策が非常に有効です。

強迫性障害で仕事を辞めたいと考えている人へ推奨する対策、克服法

精神論的克服法(=多少の助けになる)

✅自分への語りかけ

例えば、

”「今自分の頭の中に起きている強迫観念はあくまでも自分の脳の機能異常によって生じている現象に過ぎず、自分の能力や性格には一切関係がない」と、症状がキツイときに事あるごとに自分自身に(心の中で)言い聞かせるようにします。”

 

こうすると気持ちは幾分楽になります。

ヒトは自分に言語を使用して語りかけを行うとメタ認知力が高まるので、自分を客観視できるようになり、幾分、ベターな状態になる傾向※にあります。
(※根本解決にはなりませんが気休めにはなります。根本解決の方法はもう少し下の段をお読みください。)

また、

✅「こんな仕事いつでも辞められる」と語りかけるのも有効です。

ある海外の研究によると

1⃣「いつでも辞められるという事実を事前に理解している状態の人」

のと、

2⃣「この苦しみがいつまで続くのかわからない状態の人」

とでは両者の間では、かかるストレスが数十倍近く、違い前者はストレス量が劇的に低下したと言います。

 

ですから、「強迫性障害で仕事が辛い、辞めたいと考えている人」は常日頃から「こんな仕事いつでも辞められる」と自分に繰り返し言い聞かせるようにしているとストレスがかなり弱まるはずです。

 

✅開き直る(=逆説志向の実行)

強迫観念や強迫行為は止めようと努力すればするほど、余計に酷くなる性質を持っています。

したがって、たとえば確認癖を治すために、確認作業を止めようとするほど逆に悪化していきます。

これは「宝箱を空けるな!」といわれると逆に「宝箱を開けたくなる」心理と全く同じものです。


このように人間は禁止されると余計にそのことをしたくなる心理を誰しもが持っているの
です。

ここから逆算して考えると、

 

■:「逆にドンドン強迫観念に捉われてやろう」
■:「どんどん確認作業を徹底的に死ぬほど実行してやろう」

 

と仕事中に自分に言い聞かせ行動するようにすると、逆に強迫性障害の症状は鎮静する場合が非常に多いです。

何故かというと、先ほどのベクトルは

 

■強迫観念を無視しなければいけない【禁止】→強迫観念が余計に噴出してくる

 

というモノでした。

それが、

 

■強迫観念に徹底的に捉われなければならない【禁止】→強迫観念は鎮静化していく

 

という逆向きのベクトルに変わったために、むしろ強迫観念(多くの場合は確認強迫)は鎮静化してしまうわけです。

要するに、
「〇〇なければならない」という禁止を逆向きのベクトルにして活用してしまっているといううわけです。

これを専門には逆説志向と形容し、「神経症の治療においてその症状を無視する手法よりも遥かに害がなく、かつ効果的な方法」なのです。
(根本解決にはまずならないが気休め以上の効果は期待できます)

(関連記事:)
強迫性障害を強迫観念を無視して克服する?

根本的な解決、克服法について

対策1:運動の習慣をつける

運動は脳内のセロトニンはもとより、それよりも強迫性障害の原因の一つ脳内GABA不足を解消します。

(関連記事:)
強迫性障害を運動で克服【まとめ】

対策2:サプリメントを摂取する

脳内のGABA不足が強迫性障害の大きな原因の一つであるということは既に判明している事実です。

したがって、GABAを増やすサプリメントを毎日摂取するようにします。

場合によっては、GABAを増加させるクスリの摂取も検討すると良いです。

(関連記事:)
強迫性障害に効果的なサプリメント【最新版】

対策3:マインドフルネス瞑想の習慣をつける

強迫性障害の人ではワーキングメモリ(作業記憶)という集中力が不足している傾向があります。

したがって、強迫性障害の人では「自分が今行っている作業に関係のない情報までも無駄に拾ってきてしまい、それを自然と遮断することが普通の人のようにできなくなっています。

これは簡単には強迫のある方では集中力が不足している明白な証拠になります。

この問題は主に前頭葉や前部帯状回が関与するワーキングメモリの容量が不足していることから引き起こされる現象です。

(関連記事:)
強迫性障害とワーキングメモリ(作業記憶)の関係【重要】

話を戻しますが、
マインドフルネス瞑想の訓練自体が、集中力の訓練そのもの
です。

ですので、マインドフルネス瞑想の習慣をつけることで、強迫性障害の人の集中力不足は解消されていくのです。

(関連記事:)
強迫性障害を瞑想で克服する方法

強迫性障害の人が仕事を休むことを先に考えた方が良い

強迫性障害の人が仕事を辞めたいと考えるのは、特に確認強迫などがある場合、精神的に非常に辛いですので自然と湧いてくる感情だと思います。

ただし、

 

強迫性障害で仕事を辞める前に一般論として先に考えるべきは休むことです。


仕事があまりにも辛いからと言っていきなり辞めると、再就職が難しくなるケースが現行の一般社会では多いはずです。

 

特に年齢を重ねるごとに余程のスキルがない限り、不利になっていきます。20代前半ならまだわかりますが、20代後半、30代、40代となっていくうちに労働者としての市場価値は一般に減衰していきますので、再就職しても前より良い仕事につける保証はありませんし、逆に今よりも強迫性障害の方にとって仕事がやりづらい職場になる可能性もあります。

また、仕事を辞めることで時間を持て余すようになり、逆に強迫観念に捉われやすくなり悪化することも考えられます。

(関連記事:)
強迫性障害を生活習慣を正して克服する方法

よって、

仕事は辞める前に休むことをまず先決に考えておくことがケースバイケースですがベターです。

強迫性障害の人に向いている仕事とは?

強迫性障害の人に向いている仕事は、意外に思われるかもしれませんが、完璧性、競争性が求められる職種のものです。

たとえば、アスリートなどは強迫性障害の傾向がなければ、トップの域に入るのは難しいです。

「練習しないとメダルを取れない。優勝できない」という強迫観念が強くなければ、日々のキツイトレーニングを真摯に継続すること等不可能になります。

したがって、強迫性障害の人の場合、完璧性が求められる職人関連の職種、優劣がつけられるスポーツの分野に適性があると言えます。

富裕層や成功者には強迫症気質の人は当然のことながら多いのです。
(ですので、成功した有名人が「自分の強迫性障害」の問題をカミングアウトすることが多くなっているのでしょう)

(関連記事:)
強迫性障害の有名人【一覧】
強迫性障害の方に向いている仕事【特性を活かす】

まとめ

このような克服法を実践していくと、強迫性障害の確認癖も鎮静化していき、仕事を辞めたい、辛い、休職したい、休みたいという考え自体も徐々に徐々に改善されていくはずです。(最も限界まで来ている人は休んだ方が良い場合もある)

”これらは過去の強迫性障害の体験者としての私が以前実行し実際に効果を実感した方法でした。”

一般に強迫性障害は時間があればあるほど悪化する傾向にあるので、仕事のようなある種の強制された時間を、”うまく活用すると”、その克服に逆に非常に有効になるのです。

(関連記事:)
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強迫性障害を生活習慣を正して克服する方法
私の強迫性障害克服体験談

 

✅実際に、強迫性障害は治ります。
✅しかも、神経質な性格自体も変わるのです。
⚠脳の機能に直接介入する方法を取らなければ神経質な強迫障害的な性格が変わることはありません

このブログではそのための方法論を紹介しています。
ぜひ、参考にされてください。

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