パニック障害を運動で克服【最新版】

(最終更新日:2020/03/05)

パニック障害を運動で克服【最新版】

パニック障害を克服するのに、運動はかなり有効です。運動は1円もお金がかかりませんから、誰でも今から好きな時にいつでも開始できるパニック障害の克服の方法になりえます。

パニック障害を運動で克服する場合、注意点が少しあります。それは”高強度の有酸素運動や筋トレを運動の工程に必ず盛り込む”ということです。

何故かというと、
最重度のパニック発作や深刻な不安症状には、強度の高い(キツイ)運動のみが有効であることが科学的に多くの国際論文において既に証明されているからです。

とはいっても、
全力で行う必要はなく、7割程度の力をかなり少な目で大丈夫なのです。

どのような運動がパニック障害克服に効くのか?

2005年チリの高校生に対して運動が心にどう影響を与えるかということについて9か月間という長期をまたぐ形で実験が行われました。
その研究では、まず中度から重度のパニック障害や不安障害の症状を持たない健康な被験者を、キツイ運動をするグループ、低強度の軽い運動をするグループに分け、実験は行われました。

その結果、判明したことは高強度の運動をしたグループのみに不安レベルの大幅な改善が見られたということです。

他方、低強度の運動のみをしてきたグループには、不安レベルの変化はほとんどありませんでした。

高強度の運動のみがパニック障害に効果がある

なぜ運動がパニック障害の克服に役立つのかという科学的な理由は、運動をすることで心を安定させるのに必要な神経伝達物質、セロトニン、GABA(γアミノ酪酸)が脳内で増え、パニック障害の原因となるアドレナリンを抑制するように働くからです。

また、他人への信頼感、安心感に深く関わるオキシトシンも運動によって増加することがわかっています。


↑脳内の神経伝達物質を運動はBDNFを媒介(=上昇させる)することで最適化する

↑また、運動はHPA(交感神経及び下垂体–視床下部–副腎)軸のバランスをとるような働きを結果的に為します。

パニック障害の人の場合、このHPA軸のバランスが崩れているため、自律神経が失調していたり、常時、脳が強い不安や恐怖を覚えやすい過剰興奮状態に陥りやすくなっています。

運動でGABAやセロトニンが増える

そして、HPA軸の修正には、ある程度強度の高い運動が最も有効になるわけです。

少し話がずれましたが、このような形で、要するに軽い運動だけをしていたのでは、パニック発作や不安の減弱にあまり効果がないということになります。(効果はありますが、劇的というほどではない)

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↑↑具体的な運動の方法【私による解説】

私のパニック障害克服経験談

過去の私は「心臓が止まるのではないか!?」というパニック発作に見舞われたことが多々ありました。

しかしながら、この症状は運動の習慣をつけることで無事、克服することができました。

努力をして消えたという話ではなく、運動の習慣をつけていくうちに、「自然と消失した」という表現が妥当だと感じます。

特に高強度有酸素運動や筋トレが効いたことを実感しています。

過去の私は自衛隊入隊に向けて、毎晩5~10㎞をインターバル(運動の強弱を交互に変えていく方法)を交えながら、走り、腕立てや腹筋、背筋、懸垂といったオーソドックスな筋トレを実行していました。

これが効いたのだと思っています。

軽い運動も効果があることには効果があるが・・・

軽いジョギングだけでも治療的な効果は明確にありましたが、より劇的な効果はある程度キツイ運動を取り入れるようになってから・・・・・・でした。

そのような理由から、日本で運動の精神疾患への有効性をいち早く公(おおやけ)に主張していたのが過去の私だったわけです。

注意点:

強度の高い運動がパニック障害の克服に効果がいくら高いといっても、いきなり運動習慣が全くない人が高強度の運動を実行するのは危険ですので、ご自身で無理のない範囲内から実践されるようにしてください。

そのため、はじめは軽い運動(ジョギング)や速足、程度からはじめることをお勧めします。

はじめのうちは運動は、ジョギングだとかヨガ、エアロビクスのような比較的ゆったりとしたものから開始されれることをお勧めします。


↑高強度の運動は慣れてから行った方が確実に良い

なお、ややこの記事の趣旨とは矛盾するのですが、特にヨガは深層筋(インナーマッスル)を鍛えるという特殊な効果があります。

その結果、自然と呼吸が深くなるので、精神は安定するようになるのです。

パニック障害は運動不足の人が多い

注釈ですが、パニック障害では運動不足の人が非常に多いと言われています。これはパニック障害の人に限らず神経症の方にも当てはまる話です。

なお、運動不足の人はいきなり過激な運動を行うのではなく、徐々に徐々に緩やかな運動から慣らしていくようにすると良いです。

ヒトは運動が不足していると誰でもイライラしたり、不安が強くなったり、精神が不安定なノイローゼ気味になるというのは有名な話です。

発展途上国の人が精神的にも肉体的にもたくましい人が多いのは、体を日々の生活の中で、きちんと使っていることもその一因といえます。

(まとめ)

Point

①高強度有酸素運動(70%~100%)の無酸素域と有酸素域の境目くらいのキツイ運動を数秒~5秒必ず、運動のルチーンに取り入れるようにする。1セット程度でも構わない。(かなり短めに行うのがポイント)筋トレも併せられるとさらに効果的。

②低強度の有酸素運動(゠ジョギング、散歩、エアロバイク、踏み台昇降など)は10分くらいで良い。最悪、気力が出ない人は運動時間は3分から5分程度でも構わない。さらに、やる気が出ない人は30秒でも1分でも良い。そして、このプロセスに高強度有酸素運動を必ず1セットは取り入れることがポイント。

③運動はGABA、セロトニンレベルを上昇させ心をリラックスさせる天然の抗うつ薬であり、抗不安薬である。しかもお金が全くかからない。

④運動はBDNF(脳神経栄養因子)を増やし、BDNFは副腎で生成されるストレスホルモン「コルチゾール」の攻撃から脳神経を防御する。また、BDNFは脳神経の新生を促し、ストレスによってダメージを受けた脳細胞を新たに再生させる。BDNFが増加すると、脳内のリラックスに重要な神経伝達物質は最適化されていくことが数々の研究によりわかっている。

⑤パニック障害の人で、体が過度に疲れていたり、運動の習慣がまったくない人はいきなり高強度の運動はやらない方が良い。また、肉体的にかなり疲れていると感じる日や筋肉痛が酷い日は休みをしっかりとる。

⑥運動の習慣のない人や体が弱った実感のある人は、自分のできる範囲内から実行し、無理はしない方針で行くと良い。(7割できたらOKというような緩い感じで、完璧主義は捨てる)

⑦パニック障害の人で、運動をすると焦燥感が強くなったり※、不眠になったりする人は、寝る数時間前に運動をするのは止め、もしするのであれば、強度の軽いもののみを行い、高強度の運動を含めるのであれば、夕食前かその直後の就寝の4~5時間前程度にするようにするとよい。

(※しかし、この現象は体が慣れていないから起きる現象の場合がほとんどではある。)

運動の高い抗うつ効果:↑2000年にデューク大学で行われた実験では、抗うつ薬の投与よりも運動を単独で行ったグループの方が、高い抗うつ効果が確認された。しかも、運動だけを行ったグループは、運動と抗うつ薬を飲んだグループ、抗うつ薬だけを飲んだグループよりも高い回復率を示しこのことに研究者は驚いたという。

アメリカでは、健康保険制度の問題があり、国民の「自分の健康は自分で守る」という意識が日本よりも遥かに強いです。

したがって、近年では、うつ病やパニック障害などの心の病気にかかった人は、自分で運動をしたり食事に気を付けたりし、自らの人体に備わる「天然の抗うつ薬」を引き出し、自分の問題を自分で克服していくようになってきています。

そのため、アメリカにいると、街の中をジョギングしたり、バスや電車の待ち時間に筋トレをしている人をよく目にします。

そして、精神医療への国民の不信感も根強く安易な薬物療法への懐疑心をあらわにする人々も多くなってきています。

(参考文献:)(※英語)
https://today.duke.edu/2000/09/exercise922.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=john+j+ratey
https://well.blogs.nytimes.com/2012/11/21/the-love-hormone-as-sports-enhancer/

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6 Replies to “パニック障害を運動で克服【最新版】”

  1. 岡本さおり より:

    沖さん、初めましてブログ記事を読ませて頂いてます岡本と申します。

    私は現在38歳なのですが、22歳でパニック障害を発症し現在に至ります。←電車、遠方は行けません(涙)
    地獄の日々が長く様々な事を試しましたが、不安は消えず沖さんの記事や「脳を鍛えるには運動しかない」を購入し読みました。
    しかしどれ位運動をすればよいのか混乱しています。
    そこで質問です。
    エアロバイクを購入したのですが沖さんの足上げ運動、プラスエアロバイク10分を一日2セット週6日(月曜休み)などで効果は期待出来ますでしょうか?
    運動は、普段から1時間ウォーキングを1年以上続けております(30分ずつを2回)
    ウォーキングは、少し時間を減らしますが続ける予定です。
    宜しければご意見いただけたら幸いです。
    どうぞ宜しくお願い致します!

    1. masahirooki より:

      岡本様

      コメントありがとうございます。
      初めまして。
      >で返信しました。

      沖さん、初めましてブログ記事を読ませて頂いてます岡本と申します。

      私は現在38歳なのですが、22歳でパニック障害を発症し現在に至ります。←電車、遠方は行けません(涙)
      地獄の日々が長く様々な事を試しましたが、不安は消えず沖さんの記事や「脳を鍛えるには運動しかない」を購入し読みました。
      しかしどれ位運動をすればよいのか混乱しています。
      そこで質問です。
      エアロバイクを購入したのですが沖さんの足上げ運動、プラスエアロバイク10分を一日2セット週6日(月曜休み)などで効果は期待出来ますでしょうか?
      運動は、普段から1時間ウォーキングを1年以上続けております(30分ずつを2回)
      ウォーキングは、少し時間を減らしますが続ける予定です。
      宜しければご意見いただけたら幸いです。
      どうぞ宜しくお願い致します!

      >時間はそのままで問題はないかと思いますが、自分の7割から8割程度の力で
      行う高強度有酸素運動(長時間は継続できない無酸素域に近い運動)も数秒から10秒程度で良いので、
      必ず日課の運動の中に盛り込むようにされると良いです。
      「脳を鍛えるには運動しかない」という本にも書いてあると思いますが、
      抗不安作用を運動で得る場合、キツメの運動を短めに行うのがポイントです。
      私は自衛隊にいた過去があるのですが、キツメの運動を行うと、
      今までに感じたことがない充実感、幸福感を生まれて初めて覚えました。

      私が動画で紹介している運動でも高強度運動セットを取り入れることは可能で、
      1回50レップのうち10~20レップ程度は思い切り膝を上げるようにする
      、そういう風にすると良いです。

      エアロバイクは10分でも効果は出るはずです。
      ただし、コツとして、10~30秒くらいは思い切りエアロバイクをこぐ
      セットを最低1~2セットは盛り込むようにすると良いです。
      思い切りがきついのであれば自分の中で可能なレベルでも構いません。

      注意点は、キツイ運動は過剰すぎると、体が過度に疲れることがあるので、
      キツメの運動はかなり短め、かなり少ないセット数で、パニック障害を克服する
      場合は問題ありません。こうすれば毎日行っても問題はないです。

      参考にしていただければ幸いです。
      どうか、よろしくお願いいたします。

  2. 花田 より:

    沖さん、初めまして。花田と申します。
    ブログ記事を読み、少しでもパニック症を克服しようと頑張っております。
    私は昨年12月にパニック発作を起こし、それから約2か月経ちました。
    最初の発作が起きてから数週間くらいは発作の症状が次々現れ、心身ともに滅入ってましたが、最近は発作の頻度も大分落ち着いてきました。
    しかし、ここ1か月近く、胸の不快感や息苦しさ、頭がフワフワする感じなどの残遺症状が見られるようになりました。これらの症状も運動で克服できるのでしょうか?
    もし運動で克服できるのであれば筋トレや走りを1日どれくらいやればいいか教えてほしいです。どうぞ宜しくお願いします。

    1. masahirooki より:

      花田様
      コメントありがとうございます。
      >で返信しました。

      しかし、ここ1か月近く、胸の不快感や息苦しさ、頭がフワフワする感じなどの残遺症状が見られるようになりました。
      >継続してい内にいつのまにパニック発作も起きなくなっていくはずです。
      私自身や私の顧客の方でもやはり運動は脳(認知機能)に効くとお話される方が多いです。

      これらの症状も運動で克服できるのでしょうか?

      >されていくはずです。
      運動の他にサプリメントや食事の改善なども併用されてみられてください。

      もし運動で克服できるのであれば筋トレや走りを1日どれくらいやればいいか教えてほしいです。どうぞ宜しくお願いします。

      >各々個々人で体力や運動の履歴は違うと思うので一概には言えないのですが、一つの目安を以下に掲示します。
      ⑴ジョギングは週5日毎日30分間程度歩きもいれて良いので行う。
      ⑵筋トレはダンベル体操のような軽いものであれば週5日行ってよいですが、強度がキツく、次の日に筋肉痛になるようなものの場合は週3日程度のみで大丈夫です。
      ⑶ジョギングや筋トレもやり過ぎると一時的に精神状態が高揚し焦燥感が強くなることがあるので、徐々に徐々に強度を上げていく方法をとります。体が過度に疲れている実感がある場合は、しっかりと休息日を設け体を休められてください。

      参考にしていただければ幸いです。
      どうか、よろしくお願いいたします。

  3. 大島 より:

    はじめまして。
    大島と申します。
    私も運動で少しでも克服したいと考えております。
    運動は得意な方なのですが、膝を壊していまして痛くて思うように運動が出来ません。(半月板損傷)
    そのような場合、何か良い方法はありますか?
    エアロバイクはありますが、あまりハードにするのは良くないみたいです。
    負荷をあまりかけず30分してますが、それでは意味がありませんよね?
    どうぞよろしくお願い致します。

    1. masahirooki より:

      大島様
      コメントありがとうございます。
      >で返信しました。

      いえ、エアロバイクを軽く流す程度でも効果は期待できます。
      過去の私は軽い有酸素運動ばかりやっていました。
      (初期の初めての改善が見られた19歳の頃)
      その他には軽いボクササイズ的な運動(上半身を使う有酸素運動)、ヨガ等を
      代替的に実行されれば良いかと思います。

      参考にしていただければ幸いです。

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