強迫性障害と醜形恐怖症は併発しやすい具体的理由

強迫性障害と醜形恐怖症は併発しやすい具体的理由

 

 

強迫性障害の方では醜形恐怖症を併発しやすいと言われています。実際に、医師の中では醜形恐怖症を強迫性障害の一種であると見なす方もおられます。
私の大学同期の美容外科医はうちに来る患者の7割は強迫性障害を患っている可能性が高いと酒の席で話しておりました。

 

「今回は何故こうしたことが起きるのか?」について簡潔に説明していきます。

 

強迫性障害の人が醜形恐怖症を併発しやすい具体的な理由

 

強迫性障害の人は元来こだわりが異常に強いため

 

強迫性障害の人はこだわりが異常と言えるほど強く、極度の完璧主義者が非常に多い傾向にあります。

したがって、

それが自分の容姿の審美性の方へ向き出すと、
自分の顔のコンプレックス部分にばかり意識が過度にフォーカスされ、「木を見て森を見ず」といった風体にて自分を醜く感じてしまう傾向
があります。

 

それは、まるで拡大鏡でその部分ばかりに過剰にフォーカスしているようなモノで当事者はその部分だけの評価で頭が一杯になってしまいやすい。

そして、木を見て森を見ずというようなことが実際に起きえるのです。

 


 

コラム:意識を集中すればするほどその対象を強く大きく感じるようにヒトはできている

 

 

例えば、座禅の行法のひとつに黒点瞑想(トラタカ)というモノがあります。この瞑想は壁に黒点を描いた半紙を貼り、その黒点を凝視し、意識を黒点に徹底的に集中させます。

この瞑想を行い、深い瞑想状態に入ると、それに伴い黒点が大きくなっていくことに瞑想者は気づきます。

深い瞑想状態に入れば入るほど黒点は大きくなるのです。

このことは、意識を集中すればするほど、そのこと(その対象)をヒトの脳は強く、大きく感じるようにできていることを意味します。
そして黒点瞑想の極致では黒点そのものに自分がなったかのような感覚になり、このことを瞑想の世界ではサマディ*と形容します。

(*意識集中の対象と自分の精神が一体化した状態)

 

このような例から、強迫性障害や醜形恐怖症の方でも自分のこだわりの対象(この場では顔のコンプレックス)に意識を集中すればするほど醜さが極限まで誇張され、余計にそれを強く、大きく感じるのであろうということをメカニズム付きで説明することができえます。

客観的に見れば、大した外見的欠点でもなかったり、または欠点ですらなくてもその部位に意識を極度に集中すればするほどコンプレックスに思えてきたりするわけです。

自分の外見に過度のこだわりを持つ、彼ら彼女らは無意識的に自分のこだわりの対象に瞑想を行っているようなモノと言えなくもありません。


極度にこだわると木を見て森を見ずは起きやすくなる

 

森を見てみれば、イケメンや美人であるにもかかわらず、木だけを極度にフォーカスして見ているうちに、いつのまにか醜形恐怖に陥ってしまうことが強迫性障害の方では起きがちな傾向であると言えます。

 

しかも、本人がコンプレックスに感じている顔の部位も客観的に見たら、全く問題ない域であったり、むしろ平均よりも高い審美性を有している場合とてあり得る話で、この種の報告は醜形恐怖症の人に実際に対応した精神科医により多々為されております。

 

また、誰しも自分の顔のどこそかに多少のコンプレックスのひとつやふたつあるのは常であり、世界中の人々からその美貌を称賛されるハリウッド女優や国際的なモデル、または芸能人にさえ整形をする人が少なくないのは、このことの好例となるはずです。

 

また、審美的価値観は人それぞれです。
西洋圏では美の象徴とされるブロンドヘヤーが好まれる傾向にあるのですが、逆にブロンドは頭が悪そうに見えるから嫌だということで、自分の髪をわざわざ黒く染めている人すら存在します。

ハリウッド女優のウィノナ・ライダーという人が有名人ではその一人です。
このように、ある人にとっての美は他のある人にとっては醜になりえるわけで絶対的な美というモノはこの世に存在しておりません。

 

元来保持してきた、こだわりの強さが自分の顔のコンプレックス部分またはこだわりに向くと強迫性障害の人は醜形恐怖に、より一般の人よりも遥かになりやすい言えることでしょう。

元来兼ねてきた、こだわりの強さが招く悲劇です。

 

強迫性障害の克服法も醜形恐怖症の治し方も同じモノ

 

このような経緯より、強迫性障害も醜形恐怖症もほとんど同じ性質のモノであることが客観的に理解できます。

(そもそも、こだわりが強い人でなければ醜形恐怖になろうと思ってもなりえません。そして、こだわりが強い人というのは強迫性障害的な傾向を有しているのが常です。)

したがって、その治し方は同じモノになるのがその常となります。

強迫性障害の治し方は当ブログ記事全般及び下記の記事を参考にされてください。

(関連記事:)

強迫性障害を自力で克服するのに大切なこと
強迫性障害を自力で克服 (←当ブログ記事一覧へ)

 

コラム:GABAやオキシトシンが低いと自分を醜く視認するようになる

 

GABAはリラックスに関わる鎮静系神経伝達物質の一種です。
オキシトシンは幸福感に密接に関わるホルモンの一種です。


強迫性障害の方では脳内のGABAやオキシトシンレベルが低下している可能性が高いということが様々な学術的知見により報告される
ようになっております。

 

GABAやオキシトシンレベルが低いと自分や他人の顔を醜く(かなり誇張されて)感じるように人間の脳はできており、このことの傍証は例えばアルコールを飲むと自分または異性の顔がより魅力的に感じるという報告また、特定のクスリの使用により、劇的に自己及び他者の身体的魅力が増して感じられるという報告等により客観的に理解できます。

アルコールには脳内のGABAやオキシトシンを上昇させる作用機序が存在しております。

アルコールや特定のクスリの使用で自己認識、他者認識(=視覚情報)の変遷が生じうるのは脳内の神経伝達物質やホルモン分泌量がこれらの物質の摂取により大幅に変わるためです。

極論ですが、サイケデリックを使用すると視覚情報が大きく変容することをその体験者の殆どは良く理解しております。
例えば、普段であれば何てことはないと思える夕日が異様に美しく見えたりするわけです。

人間は脳の機能の奴隷です。

視覚情報の評価さえも脳の機能状態に大幅に左右されるということをこれは意味します。

 

しかしながら、こうした事例を出すまでもなく、この種のお話を多くの人は身近な事例より体験的に理解されているはずです。

まとめ

 

 

〇強迫性障害の人は醜形恐怖症によりなりやすい傾向にあります。(実際に、私の友人の美容整形医が話しておりました。また、このことを裏付けする学術論文等が多数発表されております)

〇強迫性障害の人が醜形恐怖症を併発しやすい主な理由は、強迫性障害の人は異常にこだわりが強く、些細なことを針小棒大のモノとして捉えてしまいやすいその性質に依存します。

〇強迫性障害の克服法と醜形恐怖症の克服法はほぼ同じモノになります。

〇脳の機能により審美感は過度に抑制されたり、誇張されたりしうるモノです。

 

 

 

このような経緯より、醜形恐怖症は強迫性障害の一部または親戚と形容することが可能となります。

そして、両者の克服の方法は軌を一にするという話にもなりえます。

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